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駄目親父としっかり娘の珍道中
第54話 セーブはこまめにしておこう
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ぁん! 落ち着いて! まだ僕達が犯人だって決まった訳じゃないんですから!」
「ふざけんな! そもそもこんな生首を拾ったせいでやっぱり面倒毎に巻き込まれちまったじゃねぇか! こうなりゃ大事に巻き込まれる前にこの生首を捨てちまうだけだ!」
 
 そう言うなり銀時は咄嗟に持っていたたまを窓の外から放り捨てようとした。だが、その腕に何かが巻きついているのに気付き、見てみるとたまの三つ編みの髪が銀時の腕に絡み付いて手を離した位じゃ離れない状態になっていた。

「おいぃぃぃ! 何でてめぇ俺の腕に絡み付いてんだ! 放れろゴラァ!」
「この装備は呪われています。装備をはずすでははずれません」
「誰がてめぇみたいな気持ち悪い代物を装備するか! ってか放れろ気持ち悪い!」
「装備をはずすには教会に行って呪いを解いて貰うかATMにて私名義で300万円入金して下さい」
「どんな呪いの解き方だよ! しかも何だよその中途半端な額!? あれか、通常の3倍の早さで動く奴に憧れを感じてるのか? 無駄に赤い奴に憧れてんのか? 坊やなのか?」

 と、銀時の長々なツッコミが木霊するが、たまは相変わらずシレッとして銀時の腕にその三つ編みを絡みつかせていた。
 その間も入り口を叩く音は次第に強さを増してきている。気のせいか外で聞こえて来る声色にも若干苛立ちが増してきているようにも聞こえて来る。このままだと強制捜査に踏み込まれてしまう危険性すらある。

「とにかく、僕が応対して時間を稼ぎますから、その間にたまさんを何処かに隠しておいて下さい」
 
 新八が玄関に向おうとしたそんな刹那の事だった。

「待って下さい。先ほど玄関に居る人たちをサーチしてみました。玄関に立っている人間は三名居ますが―――」
「が? どうかしたんですか、たまさん」
「内二名に体温、脈拍、血流、欲望、3年後の夢、他多数が感知されません」
「いや、最初の二つ三つ以外どうでも良いよね。激しくどうでも良いよね。ってか、何が言いたいの?」

 じれったさを表に出しつつ新八は尋ねた。そんな新八を見てたまはこれぐらい普通に気付く筈だろ? と言わんばりに溜息を吐き、口を開いた。

「結論から言いますと、彼等は役人どころか人間ですらないと言う事です。こう言えば貴方の様なババロア脳みそでも理解出来ました―――」

 言い終わるよりも前に二人は窓から外へと飛び出した。その後に続いて神楽となのはもまた同様に窓から飛び出す。
 その時と同じくして、入り口が凄まじい音を立てて破壊された。中に入って来たのは二人の若い男女と中年で幕府の高官と思わしき井出達をしたおっさんだった。

「ふむ、どうやら勘付かれたようだな」
「もぬけの殻です。どう致しますか? ご主人様」

 メイド姿をした若い女性が
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