第54話 セーブはこまめにしておこう
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入りの如く言葉が浴びせられた。その言葉に皆が驚いた。驚くのも無理はない。
何故なら、その言葉を放ったのはさっきまで機能を停止していたたまだったのだから。
「たまさん、どう言う事?」
「残念ながら、首だけになる前のデータの大半が消去されており、過去のデータが残っていません。ですが、伊―零號の型番は私のそれと一致します」
「それじゃ、たまさんが殺人を犯したの?」
「先ほども申しました通り、データがない為断言は出来ません」
なのはの問いに一辺倒な回答をたまはしてきた。全くイベントが進展していない。まるで村の入り口に立っているモブキャラAと会話している気分だった。
「何もしない内から無いとかって決め付けてんじゃねぇよ! 案外探してれば見つかるだろ? タンスの裏とかさぁ、もちっと探ってみろよ」
「了解しました。検索を試みます」
銀時に言われるがままにたまは脳内にある記憶の海へとダイブしてみた。
「たまは記憶を探った………なんと、ねこのかりんとうを見つけた!」
「ねぇ、ねこのかりんとうって何?」
ただ一人ねこのかりんとうが何なのか理解出来なかったなのはが銀時に尋ねてみた。そんななのはの問いに対し銀時は目元が真っ黒になっていった。どうやら銀時はそれが何なのか分かっているようだ。
「申し訳有りません、どうやら初期起動の際のバグが残っていたようでした」
「【いた】じゃなくて【いる】じゃないのか? どう見ても未だにバグが出っ放しじゃねぇか」
額を掻きながら銀時は溜息を吐いていた。本人はバグだとか言っているが側から見るとバグまみれとしか言い様がない。
「どうします? このままじゃ碌な情報もらえませんよ」
「しゃぁねぇ。こうなりゃもう一度源外のじじいんところに連れてくか。ま、どうせこいつの言ってる事なんてバグから派生した嘘の塗り合わせみたいなもんだろうし―――」
銀時のその言葉を言い終える前に、入り口の戸を数回叩かれる音がした。その音がした途端、四人の視線が一斉に入り口に向けられる。其処には三人の人影が見えた。
真ん中に恰幅の良い小太りな人影を囲むように左右に長身の人影が見える。影だけなのでそれが女性なのか男性なのか判別はつけられなかったが、どう考えても自分達にとって良くない代物だと言うのが本能的に察知できた。
「すいませぇん、奉行所の者ですが。此処におかしなからくりが持ち込まれたと報告が入りました。捜査にご協力頂けませんか?」
女性の声がした。それから更に数回入り口を叩く音がする。戸を叩く音がする度に銀時と新八の心臓がキュッと握られるような感覚に見舞われる。
徐々に顔が青ざめて行き、本能の赴くままに二人は急ぎ居間の横の部屋にある窓から逃げ出そうとする。
「ぎ、銀さぁ
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