第54話 セーブはこまめにしておこう
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」
「復活の呪文を言いますのでメモしてください。【ぼろろろおべべけくさればろむ】」
「おいコラ! お前冒険の書とかあるのに何で復活の呪文が必要なんだよ!」
額に青筋を浮かべて怒鳴る銀時を他所に、たまは目を閉じて機能を停止させてしまった。まだ何もしてないのに勝手に電源を切ってしまった。
ゲームで良い所だと言うのに親に無理やりゲームの電源を切られた気分だった。
「あ、切れちゃった……復活の呪文なんて言ってたっけ?」
「っつぅかさっき冒険の書が消えたって言ってた癖して何でパスワードが必要なんだよ! こいつただ働きたくなくて嘘ぶっこいてるだけじゃねぇかふざけやがってぇ!」
額に青筋を浮かべた銀時がたまの額のボタンを押す。しかしからくりは一向に反応を示さない。
一回で駄目なら何度でも押してやる! さながら何処かの連射名人の如くボタンを連続して押しまくる。
ペッ!
からくりの口から何かが飛び出し、そのまま銀時の口回りにこびりついた。色はないが独特の臭いが漂う。何処か油臭い臭いがする。
って言うか、これ確実にオイルだった。
「何だこいつ! ご主人様に向ってオイルかけるメイドがあるか!」
「案外居たりして、そんなメイド」
「居て溜まるか! さり気に男の純情な夢をぶち壊すなクソガキ!」
隣で指を立てて進言したなのはの言葉を一蹴し、銀時は再度自分にオイルを吹き掛けた不届きな輩を見た。
「てっめ、からくり家政婦の癖して何ご主人様に楯突いてんだぁゴラァ! 仕舞いにゃばらすぞ」
「セーブ中は電源又はコントローラーに触らないで下さい。故障の原因になります」
「何が故障だ! 初めからぶっ壊れてるだろうが! 大体てめぇセーブ機能ないって豪語してんだろうが!」
「もう一度復活の呪文を言いますので良く聞いてて下さい。【?咒梳,如果????-SA腐金??等】」
「おい! 何だその理解不能な言語は! てめぇ復活させる気ねぇだろう!」
銀時とのやり取りを終えた後、再び強制的に電源を切ってしまった。何処までもご主人に歯向かうとはとんだからくり家政婦である。
「完全に壊れてるねぇ、これ」
「ちっ、一旦カセット抜いて埃取れ。そうすりゃ電源もつく筈だろう」
「でもお父さん、それしちゃうとカセットの寿命縮むんだよ」
「良いんだよ。そうでもしないとつかないんだからしょうがねぇだろ?」
古いゲームを遊んだ人たちならわかると思うが、カセットタイプのゲームの場合何度やってもゲームが起動しない際にはカセットを吹いて無理やり起動させる場合が多々あると思う。が、あれを行うとカセットが傷んでしまい最悪一生つかなくなってしまうので余りお勧めは出来なかったりする。
とりあえずたまの首部分に息を吹き掛けて再度起動ボタンを
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