第54話 セーブはこまめにしておこう
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になるんだろうな―――
などと下らない考えを頭の中で思い描いていた。そんな自分自身に思わず笑いが込み上げてきた。こんな妄想をする事自体が下らない事なのだから。
「あっ!」
その刹那、からくりの頭部を弄繰り回していたなのはが一言声を挙げた。どうしたのかと皆の視線が集まる中、なのははからくりの額にある小さなホクロに触れていたのだ。すると、カチッと言う音と共に内部から微かにだがパソコン特有の起動音が聞こえてきた。
どうやら額のホクロが起動スイッチだったのだろう。分かりやすくて助かるが、同時にこんな見え透いたスイッチを今の今まで見つけられなかった自分達のアホさ加減に笑いが込み上げてくる思いがした。
何はともあれこうして無事に起動が出来たのだから良しとしよう。さて、第一声はどんな美声を奏でてくれるのか?
期待を胸に皆の視線がからくりの頭部に注がれる。
「ドゥルルルル、ドゥルルル、ドゥルルル、ドゥ〜〜ウン」
起動してからの第一声がこれであった。何処かで聞いた事のある音声をそのまま口で奏でた音だった。何故か耳に残る、絶対に聞きたくない音。
例えるなら、今までの苦労が水の泡になった時の音―――
「お気の毒ですが、冒険の書1、2、3は消えてしまいました」
なんのこっちゃ?
言ってる事が正にチンプンカンプンだった。まぁ、要するに内部に記憶されていたデータの類が消去したと言っているのだろうが、どの道どんなデータが残っていたとしても銀時達には一銭の値打ちもない。今銀時達に必要なのはデータではなく本体なのだから。
「データは消し飛んだって言ってるが、まぁ中身は無事みたいだな?」
「って言うか、前の持ち主これ使ってどうやってゲームしてたんですか?」
「あれだろう? ボディの何処かにカセット差し込む箇所があったんだよ。股の間とかにさぁ」
「一々そんなネタ挟まないとボケられないのかあんたはぁ!」
頭部が女性型だからって卑猥なボケをかます銀時に新八の怒りのツッコミが木霊する。まぁ、確かにどうやってゲームをしてたか疑問に感じるが、まぁ分からないのならばそれでも良いだろう。無理に詮索して時間を潰すよりはマシだ。
「もう一度ゲームを再開する為に、まずは名前を決めて下さい」
「名前だって! どんな名前にしようかなぁ?」
楽しそうな表情で頭の中で幾つもの名前を模索しだすなのはを他所に銀時は面倒臭そうな表情を浮かべていた。人によって千差万別だが、ゲームの冒頭で名前を決めるのに10秒足らずで出来る人間も居れば3時間も掛かる人間も居たりする。
が、中には適当な名前をつけたりする輩も居り、当然銀時はその部類に入っていた。
「面倒臭ぇから【ああああ】で良いだろう? どうせゲームなんだから適当で良いじゃ
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