第九話
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黙れ。」
「へえ。じゃあ、《思い出の丘》に」
「黙れって言ってるのが聞こえないか?」
睨み付けている俺が流石に怖かったのか。
「ハイハイ。じゃ、せいぜい頑張ってね。」
ロザリアは立ち去っていく。
口元を、ニヤニヤと笑わせながら。
――ホランド。もしかしたら、手早く済むかも知れん。
心内で友人に報告し、シリカの方を向く。
「さーてと、腹が減ったから飯にしようぜ。」
「あ、は、はい!」
風見鶏亭の中に入り、適当な席にシリカを座らせ、宿にチェックインする。
宿に泊まるのは慣れているので、手早くチェックインを済ませてシリカの向かい側の席に座った。
「ショウキさん…なんで、ロザリアさんはあんなに酷いことを言うんでしょう…」
「ま、こういうゲームは性格が変わる奴もいるって話だしな。…そうだな、自分に正直に生きてるんだよ。」
シリカは首を傾げる。
「例えば俺なんかも、さっき会ったあいつ…ロザリア…と同類さ。自分が楽しいと思うことを追い求める。やってることは変わらん。」
「それは違います!」
…少し驚いた。
シリカは、そんなに強く人を否定出来る、強い奴だったらしい。
じゃなかったら、こんな年で中層まで来ないか。
「ショウキさんは…上手く言えないけど、ロザリアさんとは違うと思います!」
「へえ、どして?」
面白そうだったので、つい聞き返してしまっていた。
「だって、ショウキさんは良い人です…私を、助けてくれたもん。」
言葉を探しながら、どう言えば分からなさそうにしているシリカ。
そんな動作が可愛くて、頭の上に手を置いてしまった。
「え…」
「良く言ってくれた。ありがとな。てか、あんな奴と一緒じゃないな、俺は。」
話が一段落ついたところで、NPCのウェイターが飲み物を持ってくる。
手を頭の上から離すと。
「あ…」
シリカは一瞬、残念そうな顔をした。
…何が残念なんだ?
「…シリカ?」
「あ、あのそのえっと…なんでもありません…」
なんやねん。
「じゃ、ピナの蘇生が成功することを祈って。」
コップを一杯、手に取る。
シリカも俺が何をしようとしているか分かったようで、コップを手に持つ。
「「乾杯。」」
……追記しておくと、久々に食ったチーズケーキはおいしかった。
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