第7話:新メンバーを選抜せよー1
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つもチンクは頷き、
自分の席に戻って担当するモニターの監視を始めた。
ゲオルグはチンクの様子にため息をつくと、気分を入れ替えて画面に目を走らせる。
ちょうど模擬戦が始まったところで、20人の候補者はそれぞれ
クリーグとウェゲナーに率いられて動き始める。
クリーグが率いる10人は人質救出、ウェゲナーが率いる10人は敵地制圧の
模擬戦を訓練シミュレータが作り出したターゲット相手で行うことになっており、
この後立場を入れ替えてもう1戦行う。
その2回の模擬戦をゲオルグをはじめとする3人の士官が指揮所から観戦し、
候補者たちを直接指揮した2人と合わせた5人の士官による協議によって
合格者を決める、というのがこのセレクションの手順である。
正面の大きなスクリーンとレーベンが出現させている2つの画面で
両方のグループの様子を見ていたゲオルグは、一人の候補者に目を引かれる。
(おっ・・・)
その候補者はウェゲナーが率いるグループにいる1士なのだが、
フロントアタッカーとして機敏な動きで敵を倒し、ウェゲナーグループの中では
頭一つ抜けているようにゲオルグには見えた。
(こいつは・・・・・デキるな・・・)
ゲオルグはわずかに目を見開いてその1士に感嘆の念を抱きつつ
近くに置いてあった候補者リストを手繰り寄せてパラパラとめくる。
(あれ? 魔導師ランクはCか。 それにしては動きがいいけど・・・)
注目している1士の経歴が書かれた紙を見つけ、ゲオルグは意外そうな顔をする。
だが、しばらくして口元に笑みを浮かべると、得心がいったというように頷いた。
(なるほど・・・第18管理世界の地上部隊にいるのか。
あそこはなかなかの激戦区だからな。 実戦で鍛えられたか)
第18管理世界は独立心の強い世界で、管理局からの独立を目指す
過激派が数多く活動しており、地上部隊は毎日のように治安出動を繰り返すという
武装局員の間でもあまり人気のない赴任地である。
特殊陸戦部隊も1年ほど前に第18管理世界の治安担当からの依頼で
過激派が起こした管理局施設の占拠事件を解決するために出動しており、
ゲオルグ自身も第18管理世界の事情には通じていた。
そんな調子で気になる候補者をピックアップしながら2度の模擬戦を観戦し終わり、
1時間以上にわたって緊張を保っていた指揮所の空気が緩む。
ゲオルグも椅子の上で大きく一度伸びをしてから立ち上がる。
「みんなご苦労さん。 一休みして通常業務に戻ってくれ」
模擬戦の様子を監視していたオペレータたちにねぎらいの声をかけると、
次いで近くに座っていたチンクとフォッケに話しかける。
「お前らもご苦労だったな。 明日の午前中には選考会議を
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