第7話:新メンバーを選抜せよー1
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のものの口調で問いかけた。
午後に行われる分隊長のセレクションは、ゲオルグが独りで内容を決めたもので
エリーゼがフォックス分隊を、ティアナがファルコン分隊を率いて模擬戦を
行うことになっていた。
その評価役はゲオルグとチンクだけが務め、クリーグ・ウェゲナーの現役分隊長は
一切関与しないことになった。
そのことについてチンクは懸念を述べたのであるが、言われた側のゲオルグは
そんなことかとばかりに、ひらひらと手のひらを振って笑った。
「いいんだよ。 同格のクリーグやウェゲナーには評価させられないだろ。
それに、よほどひどい結果でなければ合格させるつもりだしな」
「なに? それでは、模擬戦までやって評価する意味がないだろうが」
ゲオルグが笑いながら返した答えに、チンクは顔をしかめて反論する。
「そうでもないさ。
大体、クロノさんが推薦してきた候補にマトモじゃないヤツが
いるわけがないんだよ。
それに、候補者はどちらも俺らがよく知ってる人間だし、今さら不採用っつって
イチから候補を探してたんじゃ4月に間に合わないしな」
「だが、お前も自分の姉を分隊長に据えるのには反発していたではないか」
「まあな。 でも、いつまでも個人的な理由で反対しているわけには
いかないだろ」
「しかしな・・・」
チンクがなおも言い募ろうとした時、ゲオルグの前にウェゲナーの顔が映った
画面が現れ、ゲオルグはチンクを手で制する。
『部隊長、こちらは準備完了です』
「了解した、ちょっと待て」
そういってウェゲナーに待機を命じたゲオルグは、椅子から立ち上がると
部屋の中にいる面々に向かって模擬戦を始める旨を伝える。
指揮所に満ちていた弛緩した空気は引き締まり、真剣な表情を浮かべた
オペレータたちがゲオルグのほうを振り返って了解、と伝えてくる。
それを見ていたゲオルグは頷きながら"よしっ"と呟くと、クリーグとの間にも
通信をつなぐ。
「こちらは準備完了。 そっちはどうだ?」
『こちらはとっくに準備完了ですよ。 いつでも大丈夫です』
『お待たせして申し訳ありません。 準備完了です』
にこやかに冗談を交えつつ応じたクリーグに続いて、
ウェゲナーが硬い表情で軽く頭を下げながら答えると、ゲオルグは大きく頷いた。
「了解。 それでは模擬戦を開始する。
候補者を含め怪我のないように進めるように」
ゲオルグの言葉に対して画面の中のクリーグとウェゲナーは敬礼して頷く。
そして通信画面が閉じると、ゲオルグはチンクの方を振り返った。
「さっきの話はおしまいだ。 いいな?」
「・・・わかった」
ゲオルグの言葉に対して不服そうな表情を浮かべつ
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