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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第7話:新メンバーを選抜せよー1
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がらフォッケが答えると、
ゲオルグは歩を緩めることなく前を向いて言葉を返した。

「お前は事前の打ち合わせで何を聞いてたんだ?
 そんなもんは一番近くにいるクリーグやウェゲナーに任せておけばいいんだよ。
 中途半端に現場に居たって見たいものが見られなくてイライラするだけだ。
 だったら、監視システムがふんだんに使える指揮所で見るのが一番だ」

「・・・すいません」

フォッケが弱々しく謝る声を聞き、ゲオルグは小さく嘆息した。
そこからはだれも言葉を発することなく、一行は指揮所に到着する。
ゲオルグが最上段の部隊長席に腰を下ろすと、正面の大型ディスプレイには
訓練施設の各所に設置されたサーチャーからの映像が映し出されていた。

「レーベン。 両グループを追跡しているサーチャーの映像を」

《はい、マスター》

レーベンによって2枚の画面が開かれると、ゲオルグは指揮所の中を
ぐるっと見まわす。
指揮所ではオペレータなどの指揮所要員10数人がそれぞれ2つか3つの
画面を見ていた。

「全員、準備はいいか?」

ゲオルグが全員に向かって問いかけると、オペレータたちは
それぞれにゲオルグの方を振り返って準備ができた旨を伝える。

ゲオルグは"よし"と小さく呟くとクリーグ・ウェゲナーの2人と通信を繋ぐ。

「こっちは準備完了だ。 そっちの準備はどうだ?」

『俺の方は準備OKですよ』

『こちらはまだ移動中です。 あと少し待ってください』

クリーグとウェゲナーが順に状況を報告し、ゲオルグはそれに頷いて返答する。

「了解した。 ウェゲナー、準備が完了したら連絡しろ」

『了解しました』

ウェゲナーの返答を最後に一旦通信画面は閉じる。

「ウェゲナーはまだ移動中か?」

すぐそばに座っていたチンクがゲオルグのほうを振り返って問いかける。

「ああ、らしいな」

ゲオルグの返答に対してチンクは大きくため息をつく。

「何をちんたらやっているんだ、あいつは」

「そう言ってやるなよ。 不慣れな連中を引き連れてるんだし、
 クリーグよりも移動距離は長いんだから」

苦笑しながらチンクに向かってそう答えた後、ゲオルグは指揮所にいる
全員に向かって呼びかける。

「ウェゲナー3尉からの連絡があり次第模擬戦開始だ。 それまで待機」

方々から了解という答えが返り、緊張した雰囲気がわずかに弛緩する。
ゲオルグ自身も大きく息を吐くと椅子の背に体重を預けて脱力する。
そのゲオルグの側に自席から立ち上がったチンクが歩み寄る。

「ゲオルグ。 午後の分隊長候補者の模擬戦だが、本当に評価役は
 私とお前だけでいいのか?」

真面目な顔をしたチンクが真剣そ
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