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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第7話:新メンバーを選抜せよー1
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えると、納得顔のクリーグが何度か頷く。

「俺らが指揮を執るっていう発想はなかったなあ。
 まあ、一番近くで見てる試験官って感じの立ち位置でいいのかな」
 
「そうですね」

「なら俺とウェゲナーが指揮をとるのがいいかな」

そう言ってウェゲナーの方に目を向けたクリーグは、ウェゲナーの
様子を見て怪訝な表情をする。

「どうしたのさ、ウェゲナー?」

「いえ、別に。 気にしないで下さい・・・・・」

頭を抱えるようにして肩を落とすウェゲナーが発する声は沈んでいた。
そんなウェゲナーに向けてゲオルグが念話を飛ばす。

[ウェゲナー]

頭の中に響くゲオルグの声なき声にウェゲナーは思わず顔をあげる。

[こういう場でクリーグやフォッケに勝てないからって落ち込む必要ないぞ。
お前のいいトコは俺がわかってるから]

[部隊長・・・・・。 ありがとうございます]

ウェゲナーはゲオルグに向けた念話でそう言いながら軽く頭を下げた。
それに応じるようにゲオルグも小さく手をあげる。

「どうしたんです、部隊長?」

「いや、なんでもない」

その様子を目ざとく見ていて疑問に思ったフォッケがゲオルグに声をかけるが
ゲオルグは答えをはぐらかす。

「それより議論も収束してきたみたいだけど、そろそろまとめてもらえるか」

ゲオルグの言葉に3人は頷いてお互いの顔を見合わせる。
10秒ほどアイコンタクトを交わし合い、やがてクリーグが小さくため息をついた。

「じゃあ、俺がまとめますね」

そう言ってクリーグはもう一度嘆息する。
無言のアイコンコンタクトの間に3人の中で誰が議論の内容を取りまとめるかの
話し合いが行われていたようで、クリーグがまとめ役になったようだ。
そのクリーグは一度大きく深呼吸すると、テーブルを囲む自分以外の
4人の顔を眺めてから口を開く。

「とりあえずいま決まってるのは・・・
 方法としては候補者を2グループに分けてそれぞれに模擬戦闘を実施する。
 シチュエーションとしては人質救出と敵地制圧の2パターン。
 俺とウェゲナーが候補者たちの指揮と現場での評価を担当。
 そんなとこですね。
 他に何か意見はありますか?」

そう言ってクリーグはもう一度部屋の中にいるほかの4人の顔を順番に見る。
ウェゲナーとフォッケはクリーグの方に目を向けると黙って頷いた。

「ひとついいか?」

それまでとは違う高いトーンの声とともに小さな白い手が上がる。

「なんですか?」

声の主の方に身体を向けてクリーグが尋ねると、
声の主であるチンクはアイパッチで隠されていない方の目を数回瞬かせてから
淡々とした口調で話す。

「当日は午後に別の予定
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