第7話:新メンバーを選抜せよー1
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一方、痛みの治まってきたゲオルグは、表面上は穏やかな表情を浮かべながら
チンクに念話を送る。
[照れ隠しで人の足を思い切り踏むなよ]
念話で話しかけられたチンクも表面上は微動だにせず答える。
[う、うるさい! 黙っていろ!!]
チンクがそう答えるのと同時にウェゲナーの手が上がる。
「やはり実戦か実戦に近い環境での模擬戦で見るのがいいと思うんですが」
「それはそうだろうけど、まさか寄せ集めの集団を
いきなり実戦に出すわけにはいかないでしょ。
模擬戦が現実的なところだろうけど、どんな状況を想定するかも考えないと。
ただのチーム戦でもいいけど、それじゃウチの部隊に対応しきれるかが
見きれないだろうし、かといってあまり特殊な状況を想定するのもなぁ」
ウェゲナーの発言に対してクリーグが反論すると、
ウェゲナーは不満げに口をとがらせる。
「じゃあ、先輩ならどうすんですか?」
「そうだねぇ・・・」
クリーグはウェゲナーが低い声で言った言葉を受けて考え込み始める。
なお、クリーグとウェゲナーは同じ陸士訓練校の先輩後輩の間柄である。
椅子の背にもたれかかり上を向いたクリーグの手の上でペンが10回ほど
回転したころ、クリーグは目線をウェゲナーに戻す。
「俺なら10人くらいのグループを作って、人質救出みたいな
目標達成型の模擬戦をやるかな。
で、その場で各自の能力に応じた役割を割り当てて、
それをどう果たすかで評価する。 どうかな?」
最後の言葉はその場にいる全員に向けてクリーグが言うと、
ウェゲナーが不満げな表情のまま噛みつく。
「それって俺が言った案そのままじゃないですか」
ウェゲナーの反論にフォッケが異論をはさむ。
「そうでしょうか? クリーグ3尉の案は具体性があっていいと思うんですが。
こう言ってはなんですけど、ウェゲナー3尉のは案というには抽象的すぎますよ」
「ぐっ・・・、じゃあお前は何か案でもあんのか?」
「ないこともないですね」
一瞬言葉に詰まったあと尋ね返すウェゲナーにフォッケは落ち着いて言葉を返す。
「20人の候補者を10人グループ2つに分けると言うのは僕もいいと思うんです。
ただ、そのままだと指揮官がいないので僕らの中の誰か2人がその2チームの
指揮を執って模擬戦をやってはどうかと思います。
当然、あまり細かい指示を出さずにやるべきと思いますけどね。
あと、シチュエーションについては2種類くらい用意してもいいんじゃないかと。
例えば、クリーグ3尉の言われた人質救出のほかに、敵地制圧なんかも
いいんじゃないでしょうか」
「なるほどね・・・」
フォッケが話し終
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