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VONGOLA TAIL
第1話 妖精の尻尾
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ナツが大きく息を吸い込む。

「こいつ……まさか……」

1人の男が思い出したように叫んだ。

「ボラさん!俺ァ、こいつ見た事あるぞ!」

「はぁ!?」

「桜色の髪に鱗みてぇなマフラー……間違いねぇ!こいつが、本物の……」

そこから先は誰も言えなかった。ナツが口から噴き出した炎で、全員焼かれたのだ。

「サラマンダー……」

男の代わりに、ルーシィが呟いた。

「よーく覚えとけよ。これがフェアリーテイルの……魔導士だ!」

ナツは拳に炎を纏い、それをボラの頭に向かって思いっきり振り下ろした。

「火を食べたり、火で殴ったり、本当にこれ……魔法なの!?」

「まぁ、規格外だよね」

いつの間にか昼飯を食べた時に戻っているツナがルーシィに話しかける。

「竜の肺は焔を吹き、竜の鱗は焔を溶かし、竜の爪は焔を纏う。これは自らの身体を竜の体質へと変換させるエンシェントスペル」

ツナが解説する。

「なにそれ!?」

「元々は竜迎撃用の魔法だからな」

「…………あらま」

「滅竜魔法ドラゴンスレイヤー!イグニールがナツに教えたんだ」

「竜が竜退治の魔法を教えるって言うのも変な話だけど」

ツナがそう言うと同時に、ナツは戦いながら外へと飛び出していた。

「ドラゴンスレイヤー…すごい。すごいけど……やりすぎよォオォッ!」

ナツが大暴れするせいで港は半壊していた。

「あい」

「あい、じゃないっ!」

「またマスターに怒られる……」

ルーシィがハッピーに突っ込むとツナが1人頭を抱えていた。

「こ、この騒ぎは何事かねーー!」

「軍隊!?」

この騒ぎを聞きつけて軍隊がやって来た。同時に、ナツとツナはルーシィの腕を持って走り出した。その後ろにハッピーもついてくる。

「やべ!逃げんぞ」

「結局こうなるのかよー!」

「なんであたしまでーー!?」

「だってオレ達のギルドに入りてんだろ」

走りながらルーシィに問いかけるナツ。

「来いよ」

「うん!!」

ナツとツナはルーシィの腕を離すと笑いながら軍隊から逃げていった。
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