第1話 妖精の尻尾
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よルーシィ!」
「わっ」
ハッピーの尻尾がルーシィの腰に巻きつき、飛ぶ。
「ちょっ、ナツとツナはどーすんの!?」
「2人は無理。それにあの2人なら大丈夫!」
「逃がすかぁっ!」
「おっと!」
サラマンダーの手から放たれた紫に近い色の炎が船から飛び出し、ハッピーを狙う。だがハッピーはひらりとかわした。
「ちっ。あの女とネコを逃がすなっ!評議員どもに通報されたら厄介だ!」
「はいっ!」
返事をした男達が、部屋から出て銃を乱射する。
「わっ、銃だ!」
「きゃあああっ!」
「ルーシィ、聞いて」
「何よ、こんな時に!」
「変身解けた」
「くそネコー!」
ルーシィの叫びを残し、2人は海に落ちていった。
「やったか!?」
それを撃ち落としたと勘違いしている男が呟く。
船の中では、酔いながらも、ナツが小さく呟いた。
「フェア………リィ………」
「あ?」
「……テイル…………おま……え……が…」
その頃、海に落ちたルーシィは、運よく浅瀬に引っかかっていた鍵を見つけ、束の中から1本取り出す。そしてその1本を、海に刺した。
「開け!宝瓶宮の扉!アクエリアス!」
キンコーン、という鐘の音が1つ響いて、魔法陣から水瓶を持った人魚が現れた。
「すげぇー!」
「あたしは星霊魔導士よ。ゲートの鍵を使って、異界の星霊達を呼べるの。さぁ、アクエリアス!貴女の力で船を岸まで押し戻して!」
「ちっ」
「今『ちっ』って言ったかしらアンター!」
「そんなとこに食いつかなくていいよぉー」
「うるさい小娘だ…………1つ言っておく。今度鍵落としたら殺す」
「ご、ごめんなさい」
鍵を海に落とされた事で本気で怒るアクエリアス。
「オラァッ!」
アクエリアスが大事そうに抱えていた水瓶を振るう。その瞬間大津波が発生し、船だけではなくルーシィまでも巻き込んで、岸へとついた。船の中でもナツやツナ、サラマンダーも目を回す。
「一体……何事だ!?」
「……ナツ、揺れが止まったぞ。今がチャンスだ」
「揺れが…………止まった」
船の中では、サラマンダーをはじめとした数人の男に囲まれていた。
「ナツー!ツナ!だいじょ……」
ルーシィの言葉が途切れる。ナツとツナの表情は、昼に食事した時とは真逆だったのだ。
「いけない!ここはあたしが……」
「大丈夫だよ。言いそびれてたけど2人も魔導士だから」
「えーーー!?」
ルーシィは驚いてて2人を見つめる。
「お前がフェアリーテイルの魔導士か?」
ナツは服を脱ぎながらサラマンダーに問う。
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