第1話 妖精の尻尾
[1/7]
前書き [1]次 最後 [2]次話
フィオーレ王国……人口1700万の永世中立国。
そこは…魔法の世界。
魔法は普通に売り買いされ、人々の生活に根付いていた。そしてその魔法を駆使して生業なりわいとする者達が居る。人々は彼らを魔導士と呼んだ。
魔導士たちは様々なギルドに属し、依頼に応じて仕事をする。そのギルド、国内に多数。
そして、とある街に、とある魔導士ギルドがある。かつて…いや、後々に至るまで数々の伝説を残したギルド。
これは…そのギルドに属する魔導士たちの物語である。
フィオーレ王国内・ハルジオンの街。
「あ、あの…お客様……だ、大丈夫ですか?」
街にある駅に止まっている列車内で、駅員がオロオロしている。それは何故か?理由は1人の男のせいである。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
桜色の髪をして、首にマフラーを巻いた少年『ナツ』が列車の椅子に座って目を回している。
「あい、いつもの事なので」
「ナツ、いつもの事だけどしっかりしろよな」
「うるせぇよ……ツナ……」
ナツの代わりに駅員の問いかけに答えたのは喋る青いネコ『ハッピー』。そしてそのナツに肩を貸そうとしているのがツナこと『沢田綱吉』である。
「無理! もう二度と列車には乗らん…うぷっ」
「それ何回目だよ。てか、こんなとこで吐くなよ!」
「情報が確かならこの街にサラマンダーがいるハズだよ」
「ほら、早く行こうぜ」
「ちょ…ちょっと休ませて……」
ツナが肩を貸そうとするがナツはまったく動かないのでハッピーとツナは先に降りた。
「うんうん」
「しょうがないな……」
ガタンゴトン
「「あっ!」」
ナツを乗せたまま電車は出発してしまった。
「出発しちゃった」
「……まぁ、仕方ないだろ」
走り去って行く列車からナツの叫び声が木霊したのであった。
それから数十分後、再び列車に乗って戻って来たナツとハッピー達は合流して、3人はハルジオンの街を歩いていた。
「列車には2回も乗っちまうし」
「ナツ、乗り物弱いもんね」
「腹は減ったし」
「俺達、お金ないしな」
まだ酔っているのかふらふらと歩きながら呟くナツにハッピーとツナは
ちゃんと答えていく。
「なぁツナ、ハッピー。サラマンダーってのはイグニールの事だよなぁ?」
「おそらくな」
「うん。火の竜なんてイグニールしか思い当たらないよね」
「だよな。やっと見つけた! ちょっと元気になってきたぞ!」
「あい」
「……なぁナツ、出発する前にも言ったけど、こんな街にドラゴンがいるのって明らかにおかしいと思う
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ