暁 〜小説投稿サイト〜
打球は快音響かせて
高校一年
第九話 冬は蛹になる時期
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
れんし。」
「ま、同期の特待生2人とポジション被ってる俺が1番立場危ういんだけどね」
「だから今練習しよるんや!ほら、ピッチング行くで!」

翼と太田はブルペンに向かった。全体練習では中々翼はブルペンを使わせてもらえないので、このように先輩が自主練習すら終えて帰った後のグランドで投球練習をしていた。ブルペンの整備係がこの2人だったからできる事でもある。夜に太田に球を受けてもらうのと引き換えに、翼はトスを上げていた。相互依存、ギブアンドテイクである。

バシ!

太田のグラブに翼の投球が吸い込まれる。
そのボールの球筋は、段々と粘り強くなってきている。低めがお辞儀しなくなってきていた。

「ええぞうええぞう、その調子やけ。低めにパンパンくるやなかよ。」
「もう少しなぁ、球に力が出てくればなぁ」
「こんな寒い中で速い球放る必要なかよ!とにかく、ええフォームで、基礎ができりゃあ後は勝手についてくるんやけ」

太田が、四角く眉がやたらと太い顔に頼もしい笑みを見せてグラブを構える。翼がボールを投げ込む音が、何度も何度も繰り返し響いた。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ