高校一年
第九話 冬は蛹になる時期
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れんし。」
「ま、同期の特待生2人とポジション被ってる俺が1番立場危ういんだけどね」
「だから今練習しよるんや!ほら、ピッチング行くで!」
翼と太田はブルペンに向かった。全体練習では中々翼はブルペンを使わせてもらえないので、このように先輩が自主練習すら終えて帰った後のグランドで投球練習をしていた。ブルペンの整備係がこの2人だったからできる事でもある。夜に太田に球を受けてもらうのと引き換えに、翼はトスを上げていた。相互依存、ギブアンドテイクである。
バシ!
太田のグラブに翼の投球が吸い込まれる。
そのボールの球筋は、段々と粘り強くなってきている。低めがお辞儀しなくなってきていた。
「ええぞうええぞう、その調子やけ。低めにパンパンくるやなかよ。」
「もう少しなぁ、球に力が出てくればなぁ」
「こんな寒い中で速い球放る必要なかよ!とにかく、ええフォームで、基礎ができりゃあ後は勝手についてくるんやけ」
太田が、四角く眉がやたらと太い顔に頼もしい笑みを見せてグラブを構える。翼がボールを投げ込む音が、何度も何度も繰り返し響いた。
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