第九十七話 ラドンその五
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「いいわね」
「わかりました、、それでは」
上城はスフィンクスの言葉に応える形で再び構えた、その彼のところに。
首の一つが来た、それは信じ難い長さに伸びて襲い掛かってきた。だが上城はその首を上に跳んでかわした。だが。
そこにまた首が来た、それも幾つも。無数の首が空中にいる彼に襲い掛かる。
そのうちの一つの額をかわしつつ貫いた、剣は深々と突き刺さり脳にまで達した。それで倒したのは明らかだった。
だが剣を抜くとすぐにだった、その首はすぐに目の輝きを取り戻しすぐに戻っていった。
空中を力で舞いながら闘う、今度は向かってきた首を左にかわしながら闘牛士の要領で上から下に断ち切った、しかしその首もだった。
落ちたがすぐに浮かび上がり切られた部分に戻った、そして何もなかった様につながって元に戻ったのだった。
その二つを見てだ、上城はスフィンクスに問うた。
「不死身ではないにしろ、ですね」
「そうよ、生命力は相当なものよ」
「少なくとも首はですね」
「どの首もそうしたものよ」
異常なまでの、ヒドラ以上の生命力を持っているというのだ。
「見ての通りよ」
「そうですね」
「だからね」
それでだというのだ、スフィンクスは。
「そうそう勝てないわよ」
「そうですね、相当ですね」
「ではどうするのかしら」
「それは」
今度の首は頭を唐竹に斬った、しかしその首も。
生きていた、脳漿を出してもその傷口が戻ってだった。
また来る、それを見てだった。
上城は一旦着地した、そして。
首達が来るのを右に左にかわす、そうしながらだった。
竜の身体を見た、確かに巨大だ。だが空中には浮かんでいない。
それを見てだ、上城は何かを考えた。だがその彼のところに。
また首達が来る、百の首は絡まることなく次から次に複雑なそれでいて連携の取れた攻撃で攻めてくる。それを見てだった。
上城はだ、こう言った。
「ラドンは飛びませんね」
「翼はなく魔力の類もね」
「知りませんね」
「そうよ、そうした力はね」
ないというのだ。
「何故ならラドンは強いから」
「だからですか」
「そう、飛ぶことはしないわ」
「そうですよね、やっぱり」
「そしてそこになのね」
「見ました」
確かな顔でだ、上城は答えた。
「これならというやり方が」
「見出したのね」
「はい、ラドンは鱗がありますし余計に」
「鱗ね」
「鱗があるということは」
上城はそこからも見たのだった。
「やれます」
「色々わかってきたみたいね」
「正面から闘っても」
今のまま続けていてもだというのだ、そうしていても。
「勝てません」
「ヘラクレスでも闘えなかったわ」
黄金の林檎はラドンと共にいるヘスペリアの乙女達の父
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