第六十話 ハロウィンの前にその九
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「暫く見られないかもって思ったけれどな」
「特集号なんてな」
「あの雑誌公平だしいいんだよな」
週刊ベースボールの特徴だ、何処ぞの夕刊何とかだのサン何とかだの言う巨人に尻尾を振っている三十五流、三流や五流どころではなく最底辺と呼ぶことすらおこがましい読んでいるだけで駄目になりそうなタブロイドとは違う。野球を公平に、確かに愛している会社であり雑誌なのだ。
「とてもな」
「高校野球も見てるしな」
「ちゃんとした雑誌だからな」
「いいんだよな、読んでも」
「デイリーはファンでな」
「あそこはいい野球人だな」
そうした違いがあるがどちらもなのだ。
「阪神を見てくれているからな」
「公平に見ているだけでも嬉しいな」
「ああ、駅前のキオスクでも気持ちよく買えるしな」
キオスクでスポーツ新聞を買うのはサラリーマンのおっさんだけではない、こうした学生も買うし買ってもいいのだ。
「いいんだよな」
「というかデイリーと週刊ベースボールが一番か」
阪神ファンにとってはだ。
「読むにはな」
「だろうな、阪神のことを読むのはな」
「どっちかだよな」
「もっと言えばどっちもな」
「スポニチやニッカンもいいけれどな」
そちらも普通だ、スポーツ新聞といっても様々なのだ。野球雑誌もだ。
「夕刊何とかとかサン何とかは最低だからな」
「っていうかどっちも北朝鮮の機関紙だろ」
そこまで悪質だというのだ。
「巨人ばかり褒めててな」
「関西でもそれだからな」
「そんな新聞誰が買うかよ」
「見たくもないよ、キオスクでな」
「本当にな」
こう忌々しげに言うのだった。
「今日も帰りはデイリーだな」
「それと週刊ベースボールだな」
「それ買おうぜ」
「読みたくなるしな」
好きなチームのことを好意的か公平に書いている記事は読みたくなる、彼等はそう話しながら部活をしていた。
そしてだ、こう言うのだった。
「俺達はハロウィンしないけれどな」
「部長の方針でな、こっちの」
しかしだった。
「そっちやるか」
「そうだな、猛虎ライブな」
「それをな」
彼等はそれに励むことにしていた、阪神の方に専念するとだ。そうしたことを話しながら彼等の部活を楽しんでいた。
そして彼等のうちのだ、茶色の髪の美優より五センチ位背の高い一年生が明るい顔でプラネッツの方に来てこう言って来た、琴乃達も知っている部員である。
「よお、そっちの調子はどうだよ」
「普通位だな」
美優が彼にこう答える。
「正直言ってな」
「普通かよ」
「ああ、そんなところだな」
特によくも悪くもなくというのだ。
「ぼちぼちか」
「何か今一つな返事だな」
「そうか?」
「ああ、いいか悪いかはっきりしてないからな」
だから今一つだ
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