暁 〜小説投稿サイト〜
レインボークラウン
第百十二話

[8]前話 [2]次話
               第百十二話  食べ終わった後で
 使い魔達を含めた家族はカレーを食べ終えた、双子の母は満足している顔で自分の娘達にこう言ったのだった。
「味もよかったし量も多かったし」
「満足してるのね」
「お母さんも」
「何よりも娘のお料理を食べられたから」
 このことは父と同じだった、娘達の成長を喜んでいるのだ。それで娘達ににこにことして言っていくのだった。
「嬉しいわ。じゃあ明日もよね」
「うん、カレーたっぷり作ったから」
「明日もあるわよ」
 二人も母にその通りだと答える。
「朝の分もあるし」
「お母さんのお昼の分もね」
「それと明日の晩も」
「晩の分もあるから」
「そう、カレーはね」
 母がここで言うことは生活の知恵に属することだった。
「一食分だけ作ったら駄目なのよ」
「明日の晩の分までね」
「作っておくものよね」
「そうよ、二日はね」
 食べるべきだというのだ。
「そうしないと駄目だから」
「しかも寝かせたカレーは美味しいし」
「余計になのね」
「カレーだけじゃないからね、このことは」
 ハヤシライスもだ。もっと言えばシチューや豚汁、粕汁もである。こうしたものは多く作ってそのうえでだというのだ。
「たっぷり楽しむものなのよ」
「そこが大事よね」
「お母さんいつも言ってるけれど」
「このことはよく覚えておいてね」32
 笑顔だが真面目な顔で話す母だった。
「カレーは二日よ」
「その場だけじゃなくて」
「じっくり食べるものね」
「栄養もあってたっぷり食べられてしかも一食では終わらない」
「凄くいいお料理だってお母さんいつも言ってるわね」
「だから私達もね」
 沢山作ったとだ、華奈子と美奈子も言う。母は娘達のその言葉を受けてさらに明るい笑顔になって言うのだった。
「わかっているわね。いいわ」
「じゃあこれからもね」
「カレーはたっぷり作るわね」
「ハヤシライスとかシチューもお味噌汁とかも」
「そうしていくわね」
「そう、このことは覚えておいてね」
 母が二人に教えるのは生活の知恵だった、そして。
 二人にだ、このことも言った。
「空になったお鍋は水にじっくりとつけてから洗うのよ」
「うん、中をね」
「そのことも覚えておくわ」
 鍋の洗い方まで教える母だった。まさに主婦であった。


第百十二話   完


                      2014・2・28
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ