暁 〜小説投稿サイト〜
覇王と修羅王
自称王と他称王
九話
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は免れた。
 最後の最後で本音が混ざったが、気付いてないようだし。アレクはこれ幸いと話を戻そうとして……何を話していたか全く思い出せなかった。

「で、ヴィヴィお嬢のご用事は何でした?」
『あ、はい。えっと……あれ? あれれ?』

 思い出せないのはヴィヴィオも同じようで、頻りに頭を捻っていた。だが、隣に浮いている愛機クリスの身振り手振りで、次第に思い出していった様子。

『あ、アレクさんのご先祖様の事だったね。ありがとクリス』

 ヴィヴィオの礼にクリスは頭を下げる……が、アレクには頷いてるのかお辞儀なのかも判らない。先程の動きも奇妙な踊りにしか見えなかった。

『アレクさん、ご先祖様の事なんですけど……どうしました?』
「ん? いや……よく分かるな、と」
『何がですか?』
「そのクリスっていうインテリデバイス? が何言ってるかよく分かるな、と。念話かね?」
『念話じゃないんですけど……なんとなく分かるんですよ。あ、紹介がまだでしたね。クリスは愛称で、正式名称セイクリッド・ハートっていうんです』

 ヴィヴィオの手で自慢げに前へ出されたクリスは一度大きく頷いたが、アレクにはやはり分からない。

「今の頷きは……ヴィヴィお嬢の肯定したのかね?」
『いえ、アレクさんに宜しくって言ってます』
「……ダメだ、サッパリ分からん」
『今のは分かりやすかったと思うんですけど……。あ、じゃあわたし抜きで少しお話ししてみませんか?』
「それ、間違い無くお互い一方通行にしかなんねえような?」
『でも分かってくると楽しいですよ。わたしも最初は全部分かった訳じゃないですし、ちょっと試してみません?』
「じゃあ……クリスは男性型のインテリデバイス、でいいんだよな?」

 とりあえずアレクはヴィヴィオのご機嫌斜めを避ける為、乗せられた形でクリスに問う。
 流石にYesかNoで訊けば分かるだろ、と思いアレクは質問するが、クリスは首を傾げ、次いで困った様に考え込んでしまう。
 その様を十秒ほど凝視したアレクは、やっぱり分からんと匙を投げた。

「ヴィヴィお嬢、ギブ。通訳お願いしやす」
『えっと、……分からないみたいです』
「は? インテリってそういうの決まってんじゃねえの?」
『決まってないタイプもありますよ。でも、アレクさんはどうしてクリスが男性型だって思ったんですか?』
「蝶ネクタイは大概男がしてるもんだから、かね。ちなみにヴィヴィお嬢はクリスを男女で見るならどっち?」
『ん〜……わたしは女性型ですね。こんな可愛いですし』
「ウサギの外見って雄も雌もそう変わらん気がしたぞ」
『えぇ〜。じゃあ、もうクリスに決めてもらいましょう。ねえクリス、どっちが良い?』

 クリスは二人の視線に、困った様にうろうろふら
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