変わらず笑っていられる事を祈って
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《・》の女の命令に従ってる訳じゃない。
命令に従うなんて私のガラじゃないし、そんなの誰も望んでないもの。
戦いに行く。
あの腐りきった愚かな、力だけはあるカトレーンの一族と敵対する。
確かに私もカトレーンの姓を持っている一族の人間よ。
だけど、私はあんな奴等と同類になった覚えはない。
同類になるくらいなら孤独でいい・・・カトレーンの姓だって捨ててやる。
きっと一族相手に私1人で戦うなんて無理だと思う。
私の故郷フルールは、“魔法都市”だから。
でも、だからってアンタ達には頼らない。
これはカトレーンの問題よ。関係ないアンタ達が巻き込まれていい問題じゃない。
勿論、クロスも。
いつもみたいに「姉さんの為なら!」って突っ走って来ないで。
私の為じゃなく、アンタはアンタの為に剣を振るいなさい。
他人を仲間と見なして、その仲間の為ならどこへでも突っ走るアンタ達の事だから、どんなに書いても私を追ってくるんでしょう。
そんなの、未来予知が出来なくたって解るわ。
それが妖精の尻尾、それが私のいたギルドの姿だから。
だけど、今回は何もしないで。
私を追う事も、カトレーンの家に行く事もしないで、ただ何も無かったようにいつもみたいに仕事に行って、騒いでいて。
きっと私は、もうその場所へは戻って来れない。ヘタをすれば死ぬかもしれない。
だけど、それでいいの。
カトレーンと戦うと決めたのは私だから。
あの無駄に明るい師匠の教え通り、自分で選んだ道には絶対の自信を持ってる。
愚かで、憐れで、醜いけど、これが私の信念だから。
あのお祖母様と言葉だけで戦えるとは思ってない。
確実に力を振るわないと戦えない。
それで―――――もし、私がお祖母様を殺してしまったとしても、アンタ達はこう言って。
『妖精の尻尾とティア=T=カトレーンの繋がりはもうない』って。
『無関係だ』って。
それがギルドのやり方に反してるのは解ってる。
ギルドを抜けようが無関係じゃねえ、と怒鳴ろうと思ったでしょ?ナツ。
だけどね、そうしないとギルドに迷惑がかかる。
ただでさえギルド最強の女問題児で迷惑をかけてきたんだもの。
最後くらいは何事もなく終わらせたいじゃない?
ワガママだっていうのは承知してる。
さっきも書いたけど、アンタ達に何を言っても私を追ってくる事も解ってる。
それでも、私は最大限の足止めをするわ。
最後に言っておく。
これはアンタ達の為に言ってるんじゃない・・・私の為なの。
アンタ達に“醜いカトレーンの裏側”を知られたくないから。
カトレーンを知らずにアンタ達が生きていく為なら、私1人が傷付くくらい安いものだわ。
――――――ど
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