変わらず笑っていられる事を祈って
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ラ・・・もう魔力が・・・」
「私も、そろそろ限界・・・」
空からティアを探していたハッピー、シャルル、ルーは完全にへばっていた。
元々ハッピーとシャルルは魔力が多い方ではないし、ルーはティアを探そうと街を何十周もした為、魔力がもう限界に近い状態なのである。
「エルザ、イオリの墓は?」
「誰もいなかった・・・そっちはどうだ?」
「家にはいないし、ティアの好きそうなものを売ってるお店とかも片っ端から見ていったけど・・・ダメだった」
「オレァ街から少し出てみたけどよ、それらしき奴はいなかった」
妖精の尻尾に所属する魔導士の数は多い。
詳しい数は解らないが、とりあえず多いのは解る。
それだけの数の魔導士が総動員で探しているというのに、1人の女魔導士を見つけられない。
見つけるどころかそれらしい人間もいない。
完全にティアは姿を消したのだ。
「ティア・・・実家に帰っちゃったのかな」
「それは有り得んっ!姉さんが自らあの家に帰るなど!」
ポツリと呟いたルーの言葉を、クロスは力強く否定した。
その声には怒気が込められている。
1番不安なのは双子の弟であるクロスなのだ。
「あああ・・・やっぱり俺が姉さんの部屋にいればっ!いや、俺達が交代で姉さんを見張っていれば良かったのか!?」
「落ち着いてください、主!過ぎた事に何を言っても変わりませんよ!」
「ライアアアアアアアー!頼むから今姉さんのような事を言うなあああああっ!姉さんが恋しくて恋しくてっ・・・うああああああああああっ!」
クロス大崩壊。
テーブルに突っ伏したかと思えば、声を上げて大号泣し始めた。
姉が突然消え、しかも行く先が曖昧にしか解らないとなると、シスコン(自覚はないし認めない)のクロスは一気にダメ男になってしまうのだった。
「・・・ん?」
そんなクロスを宥めようとしていたライアーがふとステージに目を向ける。
そこには淡い水色の封筒があった。
「何だこれは・・・“マスター及びギルドの奴等へ”?」
『!』
整った字で書かれた文字をライアーが読み上げる。
それを聞いたギルドメンバーはライアーを中心に集まった。
封筒を引っくり返すが、差出人の名前はない。
迷わずライアーは封筒を開け、便箋に書かれた言葉を読み上げた。
************
マスター及びギルドの奴等へ
私は、妖精の尻尾を抜けるわ。
言っておくけど、これは私の意志じゃない。
ギルドを抜ける気は全くないし・・・だって、私が抜けたらバカナツのストッパーが消えて、あのバカの事だから仕事先で大暴れするでしょ?
お祖母様の命令通り、私は家に帰る。
だけど、お祖母様の―――――|あ
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