第三章
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それを食べるのが好きだったとか」
「ああ、それだ」
ここでだった。部長ははっとした顔で述べるのだった。
「それが一番悪い」
「川魚ですか」
「それが」
「そうだ、それを釣ってそのまま生か」
「はい、どうやら」
「そうみたいです」
「危ないにも程がある」
部長の顔はいよいよ深刻なものになっていた。
「川魚の虫はかなり悪質だからな」
「それであんな顔色になって」
「全身土気色になっていたんですか」
「川魚の虫のせいで」
「そうだったんですね」
「そういうことだな。食べ物には本当に気をつけないとな」
また言う部長だった。
「さもないと。本当に命に関わるからな」
「全くですね」
「自然が全ていいんじゃないですね」
皆このことを実感したのだった。かくして栗田は自然にこだわり過ぎてそのせいで死んでしまった。ものごとは完全に安全ということはないのだった。それが食べ物においてもである。そういうことなのだった。
自然食 完
2010・11・27
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