第四話 第二の怪人その五
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「まあステーキ食えるだけましか」
「私のところなんてね」
裕香はこう言う。
「物凄く辺鄙だったから」
「ステーキ食えなかったのかよ」
「牛肉買いに行くの車でちょっと出ないといけなかったから」
「それでか」
「お金はあっても買いに行くのに手間がかかったのよ」
「そこが辛かったんだよ」
「そうなの。ガスコンロで焼いてたわ」
無論かなり旧式のだ。
「けれどステーキもね」
「昔はご馳走だったんだよな」
「そうらしいわね」
今は多少高い焼き魚程度だ、あくまで輸入肉を安売りしている場合だが。
「あれもね」
「アメちゃんの基地でも食えるんだけれどな」
「アメリカ軍の?」
「横須賀の基地にさ、あそこ一般市民でも入ることが出来るんだよ」
「ふうん、そうなの」
「それでそこに入ってさ」
そのうえでだというのだ。
「土曜とか日曜の午前中な、バイキングとか千円位で食えるんだよ」
「それでステーキもなの」
「ああ、食えるよ」
そこでだというのだ。
「というかアメちゃんってかなり設備がいいんだよ」
「ステーキも安く食べられて」
「日本で食う以上にな」
「それで先輩もですか」
「うん、ステーキが好きなんだ」
それが一番の好物だというのだ。
「それとお酒はワインだよ」
「ああ、あたしもさ」
「私もです」
ワインについてはだ、二人は笑顔で話した。
「好きだよ」
「美味しいですよね」
「うん、それで今は」
「今は?」
「今はっていいますと」
「二人共何を飲みたいかな」
ここでこう二人に切りだしたのだった。
「今は。紅茶かな、それともコーヒーかな」
「ああ、お茶か」
「それですね」
「うん、何がいいかな」
このことを問うのだった。
「今はね」
「じゃあ紅茶か」
「私もそれで」
「わかったよ。お茶の葉はどれかな。それとミルクだったら」
「いや、そこまではいいから」
「何でもいいですから」
何か複雑な話になったと察してだ、二人は智和に慌てた笑顔になって返した。
「そもそも紅茶って何種類もあるのかよ」
「ティーパックじゃないんですか」
「いや、ティーパックもあるけれど」
それでもだとだ、智和は二人にこう話した。
「アッサムやセイロン、そうした様々お茶がね」
「アッサム?セイロン?」
「何か聞いたことがある様な」
「お茶の葉の種類だけれど」
「そんなのかよ」
「紅茶も色々あるんですね」
「うん、他にもアップルティーとかもあるよ」
今度はこの種類の紅茶だった。
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