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ヘタリア大帝国
TURN141 石の謎その七

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「完成し次第だったな」
「ああ、総員乗り込んでだ」
 東郷がレーティアに答える。
「出撃だ」
「よし、それではだ」
「もう艦名は決めている」
 東郷は肝心のその話もした。
「レーティアさんの船はヒンデンブルグだ」
「それがドクツの艦の名か」
「ドイツさんはドイッチュランドだ」
「わかった」
 ドイツも頷いて応える。
「超空母ドイッチュランドか」
「それでいいな」
「グラーフ=ツェッペリンだと思ったが」
「どうも不吉な気がしてな」
 それでだというのだ。
「止めた」
「そうか」
「しかしヒンデンブルグか」
 レーティアはこの艦艇の名前についても言う。
「前大統領の名だが」
「それでいいと思うがどうだ?」
「いい大統領だった、しかしだ」
「老いていたっていうんだな」
「うむ、一次大戦の英雄だったが」
 ドクツを支えた名将だった、しかし大統領になった時の彼は老いていた。それが為大統領としてはだったのだ。
「ドクツを救いきれなかった」
「しかし若い頃を考えだ」
「あの方の名にしたのだな」
「そういうことだ」
「成程な、わかった」 
 レーティアもそれでいいとした、まずはドクツだった。
 そして次はだ、この国だった。
「オフランスだが」
「我が国ですか」
「シャルロットさんはリシュリューだ」
 それが彼女が乗る超艦艇の名前だった。
「この名にした」
「オフランスの名宰相ですね」
「ああ、三銃士にも出ているな」
「ダルタニャン物語では悪役ですが」
 三銃士はこのダルタニャン物語の中の一節にあたる。実はかなり長い話なのだ。
「しかし実際は」
「いい宰相だったぜ」
 リシュリューのことを知るフランスが言う。
「オフランスに尽くしてくれたよ」
「あの人の名前ならいいと思ってな」
 だからだというのだ。
「そうさせてもらったが」
「では」
 シャルロットは微笑んで東郷に応えた。
「喜んで」
「これで決まりだな、さて」
「次は俺だな」
 フランスが東郷に応える。
「その名前は何だ?」
「フランスだ」
 そのままの名前だった。
「それでいいか」
「ああ、俺そのものだな」
 フランスは気取った笑顔で東郷に応えた。
「いい名前だな」
「これで決まりだな」
「ああ、喜んで受けさせてもらうな」
 これでオフランスも決まった、しかし国家はまだある。
 東郷はイタリアも見た、今はロマーノもいる。
「実は空母建造に余裕が出来てだ」
「俺もだな」
「そうだ、ロマーノさんにも来てもらいたいが」
「俺は戦いは嫌なんだよこの野郎」
 ロマーノはまずはむっとした顔で東郷に返した。
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