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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第二十二話「修行終了 下」
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最終試験含めて一ヶ月、よく耐えたな。おめでとう、これで修行は終了だ」


 次第に言葉が脳に染み込んでいき、じわじわと喜びが湧き上がった。


 俺は、生き延びたんだ……!


 ふるふると喜びに身を震わせていると、先生が朗らかに微笑んだ。


「修行は終わりだが、鍛錬だけはこれからも怠るな。一時怠ければこの修行で培った経験のなにもかもが腐るからな」


「はい! 今まで、ありがとうございました!」


 大きく頭を下げる。本当にありがとうございました!


 先生のおかげであの学校でもなんとかやっていけそうです!


「よし、一ヶ月よく頑張りました祝いだ。特別に技を一つ与てやる」


「え、本当ですか!?」


 先生から教えてもらった技――剛体操法一式・総身反射だけでもすごいのに、他にも教えてくれるのか!?


 総身反射は防御技だ。特殊な身体法で筋肉を締め上げ、その上で外部からの衝撃を気により体内で循環させ、接触部から同等の衝撃を放出する。


 ようするに、打撃による攻撃はすべて跳ね返す技だ。


 しかし、これはいくつか欠点があり、まず相手の攻撃を受けるという精神的胆力と、どの場所に受けるか正確な読みが必要になる。


 また、繊細な気のコントロールがないと衝撃を体内で循環できずにそのままダメージを受けてしまう。習得するのも、習得してから使いこなすのも困難な技だ。


 先生の裏拳を跳ね返したのもこの総身反射によるものだ。今度はどんな技を教えてくれるのかな?


「今から与える技は剛体操法二式・通性反射。原理ややり方は教えん。文字通りその身体に叩き込むから、この技を覚えられるかは青野自身の根気と努力による」


 マジですか、先生……。


 でも、先生は出来ないことにはさせてくれないし、無理なものは無理って正直に言う人だ。先生がそう言うということは俺なら覚えられる……かもしれないということ。


 ならその気持ちに答えなきゃ!


「お願いします!」


「いい答えだ。では、出来うる限りの最高の一撃を与えてみろ」


「はい!」


 先生から教わったのは総身反射だけではない。気の使い方とそれによる身体強化、および身体操作法。


 今の俺なら全力の突きで木を揺らせるほどの実力だ。


 教わったもののすべてを出し切るつもりで拳を握り、地面を踏み抜いてその腹に打ち込んだ。


「ガ……ッ!」


 気がついたら空を舞っていた。


 拳が当たったと思ったらとてつもない衝撃が肩を襲い、身体が吹き飛んだ。


 衝撃が跳ね返った……総身反射? でもあれなら攻撃した手が跳ね返るはず
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