2ndA‘s編
第四話〜少年達の目的〜
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ているが、ソフト面はともかくハード面はほぼ全損に近かった為、修復完了には少しの時間を要する結果となる。
管理局は今回の襲撃から第九十七管理外世界に置いて襲撃犯の潜伏先か若しくは活動拠点があると推測し、そこに数ヶ月前にある事件で出向していた次元航行艦『アースラ』とそのスタッフを派遣することを決定。そして今回の事件の陣頭指揮として管理局執務官であるクロノ・ハラオウンが選出される。
そして今現在。
ある意味指揮官としての役割を命じられたクロノは、管理局本局のドックで出航準備を行っているアースラにて、レイジングハートに残されていた映像情報の検証を個人的に行っていた。
「……闇の書」
モニターの灯りのみで照らされた部屋で彼はポツリと呟く。彼の視線の先には紅いゴシックドレスを着た少女の手に浮かぶ一冊の本が映し出されている。その映像を――正確にはその本を、どこか複雑な目で彼は見つめる。
「クロノ君、検証中?」
「エイミィか」
突然かけられた声と聞こえてきた足音に特に驚いた風もなく、クロノは声の主である自らの同期で補佐役でもある少女、エイミィ・リミエッタに返答を返した。その彼の反応が淡白であったのと、こちらに振り向きもしなかったことに少しムッとした彼女は文句の一つでも言おうとしたが、彼の表情が今までに見たこともないほど真剣であった為にすぐに口を引き結ぶ。
「…………聞かないのかい?」
「え?」
「僕が変なこだわりをこの本に向けている理由を」
そう言いながらもクロノは画像から目を背けない。それはどこか、恐れている物に立ち向かおうとする幼子の様にエイミィの瞳に映る。
彼女はクロノの言葉にどう返答したものかと少し悩む。今回の事件に関わってから、クロノがいつもと違い、らしくないとは彼女も感じていた。此度の襲撃の際に行方が分からなくなった一般人と思われる青年そっちのけにして、ロストロギアであるデバイスに注意を割きすぎている事もその一助になっている。その為、本人がそれを自覚し、まさか自分にそのことを聞いてくるとは思っていなかった彼女は少しだけ口篭った。
「…………えっと、その答えを私が聞いたとしてクロノ君がやることは変わるの?」
少しまごついたが、エイミィはそう返した。その彼女の答えが意外だったのか、クロノはそこでやっとエイミィの方に顔を向ける。
「それは――」
「ほら、いつもクロノ君はちょっと度が過ぎるくらい職務に忠実だからさ。少しぐらいそこに私情が混じっても誰も文句言わないんじゃないかな?それに結局はいつもと同じで犯人を捕まえて、ロストロギアも回収するんでしょ?」
「……」
彼女にそう言われ、何故か知らないがその言葉がストンと自分の中に落ちてくる気分を味わい、それと同
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