2ndA‘s編
第四話〜少年達の目的〜
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興味はないのですけど、取り敢えず此処はどこですか?」
「そ、そんな物……」
「え?あれ?」
闇の書と言われた本を「そんな物」扱いしたのが悪かったのか、彼女は分かりやすく落ち込んでいた。
「……確かに主にとっては邪魔かもしれいないし、私自身も消えれるものなら消えたいが『そんなもの』か、ハハ……」
「えっと、大丈夫ですか?」
「ああ……大丈夫だ。さっきの質問だが、此処は夢の中だ」
明らかにまだ落ち込んでいる様子であったが、ライにとってはこの空間が夢の中であると言う事実のほうが重要であった。
「夢?だれの?」
「それは――」
彼女が言葉を発しようとした瞬間、ライの視界が突如歪む。
いきなりのことに動揺するライに彼女は特に驚くこともなく伝える。
「どうやらお前が目覚めるようだ。恐らく、目が覚めるとここでの事をお前は覚えていないだろう」
「待ってくれ!僕は――」
聞きたいこと、伝えたいことは多くある。しかし、此処でのことは覚えていられないと言われ、焦燥感が生まれる。口にすべきことは多くあるのに、思考の一部が明確ではないためにうまく言葉を伝えることができないのが歯痒かった。
「主以外との会話は久しぶりだった。なんだか嬉しかったよ、ありがとう」
(っ、たったあれだけの意味のない会話でそんな言葉を……)
どこか寂しい笑顔を浮かべ、彼女はライに感謝の言葉を送る。そしてその笑顔と言葉を受け取ったライは自分の気持ちを素直に吐き出した。
「またきっと来る!貴女に会いに来るから!」
「……ああ、そう言われるのは嬉しいことなのだな」
その言葉を最後に耳にしてライは目覚めた。
海鳴市・ビジネスホテル一室
安物のベッドの上でライはその瞳を開ける。
上半身を起き上がらせ、九時を示す時計を確認してから虚空を眺める。そして本当に小さな声で囁く。
「……ちゃんと、覚えているよ」
「おはようございます、マスター」
チカチカと視界の端で自分の相棒が光を発してくる。挨拶に笑顔で返しライは蒼月をいつもの定位位置である首にかけた。
(見つけた)
ライは思考の端でそう呟いた。
(当面の問題は彼女がどこにいるのか、そして彼女が抱える問題が何なのか、か。そのヒントは闇の書と言われるデバイス…………デバイスなのかな?)
「マスター、バリアジャケットの展開は行いますか?」
「え?ああ、頼むよ」
そう言うと、ライの周りを一瞬光が包むとライの姿は昨晩おシャカにしたコートを羽織った姿になっていた。
「また買わなきゃな」
「学生服も置いて来てしまいましたしね」
昨晩、ライはなのはとフェイト
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