来たる、カトレーンの女王様
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「・・・シャロン様が・・・ギルドに・・・!」
「!」
聞きたくない名前が飛び出した。
だが、クロスはここから先を聞かないといけない。
自分はギルドにいない。兄のクロノもいない。
となれば、祖母シャロンが用があったのは――――――。
「ティアに・・・家に戻って来るようにと!」
予想的中。
クロスはライアーの言葉を最後まで聞かず、ギルドに向かって走り出した。
その左手から、淡い水色の花がヒラリと風に乗って飛ばされる。
普段ならそれを追いかけただろうが、今はそんなヒマはなかった。
(そんな・・・姉さんがあの家に帰るだと!?そんなの・・・!)
クロスは知っていた。
カトレーンの一族がどんな一族かを。
そして・・・一族がティアに何をしてきたのかを。
(そんなの、誰が許しても俺が許さん!)
「大丈夫か?ティア」
「・・・ええ」
心配そうに尻尾を揺らすヴィーテルシアにティアは答え、深く溜息をついた。
祖母の背中を見送った瞬間、どっと疲れが溢れ出たのだ。
「にしても、気に入らねぇなァあの女。ティアにゃ悪ィが、お前のばーちゃん性格悪すぎんだろ」
「そーだよ!ティアの事けちょんけちょんに言っちゃってさ!ふーんだ!人の悪口はいつか自分に何百倍で返ってくるんだよーっ!」
アルカは苛立ちをぶつけるようにドンとテーブルを叩き、ルーは不機嫌そうに喚く。
最強チーム+ルーとアルカは先ほどティアと祖母がいたテーブルに集合し、それぞれに喋っていた。
勿論、内容はティアの祖母の事だ。
「出来損ないとか、酷すぎるよ。確かにティアはギルド最強の女問題児って呼ばれて問題ばっかり起こすけど、出来損ないなんかじゃないのに」
「あい、三流って言う方が三流だと思う」
「だな。何様のつもりか知らねーが、気にくわねぇ」
頬杖をついたルーシィ、テーブルの上で魚を頬張るハッピー、やはり上半身裸のグレイが呟く(因みにグレイの服は何故かヴィーテルシアの背中に乗っている)。
すると、そんなギルドに声が響いた。
「カトレーンの女王様だよ」
全員の視線がそっちに向く。
そこには、息を切らしたクロスがいた。
「クロ・・・」
「姉さん!無事かっ!?」
「うあっ」
ティアが完全に名前を呟く前に、クロスが行動を起こした。
素早くティアに向かって行くと、躊躇いなくぎゅっとティアを抱きしめる。
突然の事にティアは小さく声を上げた。
「ライアーからお祖母様が来たと聞いて・・・よかった・・・姉さんが無事で・・・」
「私は無事よ・・・だから、放して・・・苦しい・・・」
「え?あっ!ご、ごめん姉さんっ!」
心配のあまりかなりキツ
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