フードの妖精
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唖然とし、フードを被った少年は興味のある視線で見つめる。
「どうする?アンタも戦う?」
残り一人になったサラマンダーのプレイヤーはお手上げというように両手を挙げた。
「いや、やめておくよ。もうちょっとで魔法スキルが900なんだ、死亡罰則が惜しい」
「正直な人だな。そちらのお姉さんとフードの人は?」
「あたしもいいわ。今度はきっちり勝つわよ」
「自分は通りすがりですからね、戦う理由がない」
「君ともタイマンやるのは遠慮しておくよ、特にそこのフードの君とはね」
そう言ってサラマンダーのプレイヤーは空へと飛び去っていった。
赤いリメインライトは一分経過したところでふっと消え、シルフの少女は緊張した面持ちで尋ねた。
「・・・で、あたしはどうすればいいのかしら。お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それともたたかう?」
「うーん、俺的には正義の騎士がお姫様を助けたっていう場面なんだけどな」
「は?」
「感激して、涙ながらに抱きついてくる的な・・・」
「ば、バッカじゃないの!!」
「ははは、冗談冗談」
スプリガンの少年はカラカラと笑いながら冗談を言う。そこに。
「そうですよ!そんなのダメです!!」
「あ、こら、出てくるなって」
スプリガンの少年の胸ポケットから小さな妖精が出てきた。鈴の音のような音がする羽を羽ばたかせながら少年の顔のまわりを飛び回る。
「パパにくっついていいのはママとわたしだけです!」
「ぱ、ぱぱぁ!?」
「ブハッ!!」
フードの少年はその小さな妖精の発言に思わず吹き出してしまう。
「あ、いや、これは・・・」
「ねぇ、それってプライベート・ピクシーってやつ?プレオープンのキャンペーンで抽選配布されたっていう・・・」
「わ、わたしは・・・むぐ!」
何か言いかけたところで妖精の顔をスプリガンの手が覆う。
「そ、そう、俺クジ運いいんだ!」
「ほーう、まあ言いっすけど自分はもう帰りますわ」
「え、ちょっと!!」
「お前、名前は!!」
「通りすがりの妖精ですよ自分は。ではでは〜♪」
「あ、おい!!」
そう言ってフードの少年は闇のなかに消えた。
「なんだったんだ、アイツ・・・」
そこにはスプリガンの少年とシルフの少女だけが残された。
「不思議です・・・」
「どうした、ユイ?」
「似てるんです、雰囲気が・・・」
「雰囲気?」
「はい・・・」
そこでユイと呼ばれた妖精が言った人物は───。
「向こうにいたときの、にぃにに・・・」
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