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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
短編外伝乱離骨灰
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「抑制され過ぎても、刺激が強すぎてもいけない。シャインみたいなのが一人いると、フラスコの中が安定するね。新しい転生者を投入してもバランスが崩れないほどに・・・っと」

整理していた書類の中から目当ての資料を発見する。随分深い所に埋まっていたが、これが司書の見たかったものだ。簡易書類だがそれは劇物を内部に入れる際に自動発行される、劇物に関しての情報が記された書類なのだ。本来ならばまとめて前任者が司書に手渡すべきものだったのだが、恐らく態とこんな所に埋めたのだろう。せいぜい飛ばされた先の癖所で勝手に争っていればいい、と吐き捨てながらそれを手に取った司書はそれの一枚目をめくり―――

「あ・・・あ・・・あんのクソ女ぁぁぁーーーーッ!なんて、なんてものを入れてくれたんだ・・・ッ!」

有らん限りの怒りを込めて前任者を罵った。書類を握り潰し、怒りに震える腕をデスクに叩きつける。これは、この力はまずい。シャインでも抑えきれるか分からない。下手をすればフラスコそのものが砕け散って修復不能になる、そういうものだった。
通常ならばそんな能力を劇物に与えてはいけない。そういう意味ではシャインの能力もかなり危険なのだが、これはそれ以上だ。
だから司書はフラスコを割るような劇薬は投与してはいけないというのに。

能力の欄には一言、こう書いてあった。

Chaos(ケイオス)」と。

それの意味するものは―――混沌。

天地人の無い世界、原初への回帰。

今現在シャインたちが存在する次元の、ひいては観察すべきフラスコの―――





「・・・っていう力なんだけど、僕もガイアセイバーズに入っていいかな?」

その人の良さそうな少年は、ガイアセイバーズの隊員スカウト活動の途中に突然声を掛けてきた。恐らく10代前半だろうか?自分よりも2,3歳年上に見えた長めの銀髪と浅黒い肌の色が印象的で、どこか浮世から離れた印象のある男だった。シャインは顔を合わせるなり、この男も自分と同じ転生者であることを悟った。向こうもそのような気配を感じたらしく、話せばすぐに互いの事情を察することが出来た。

「・・・やっぱり、駄目かな?こんな危ない能力持ってるんじゃ、一緒にいて安心できないと思われても仕方ないし・・・」

少年は少し寂しげに眉尻を下げる。予想していた、とでも言うような反応だ。
しかしこれで聞いているのが自分じゃなかったらその能力を「冗談だろう」と一笑に付したろうとも思う。逆を言えば、笑わなかったからこそ彼はこちらが内容を理解したうえで、拒絶するだろうと思っているのだ。が・・・こんな貴重な人材をみすみす逃すほどシャインは暇な男ではない。
というか、この機を逃してなるものか。絶対にこちら引き込ませてもらう。

「なに、危なっかし
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