第5章 契約
第86話 紅い月
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今の俺は……。
「ほう。不死鳥を召喚出来ましたか、ジョゼフ陛下は」
かなり感心したようなオスマン老の台詞。この答えには、素直に賞賛の色が濃い。
但し、ジョゼフに行って貰ったのは、このハルケギニア世界で一般的に行われている使い魔召喚の儀式では有りません。
彼が行ったのは、俺の行う式神召喚。
春に行ったフェニックスの再生の儀式の際に手に入れたフェニックスを示す納章を使用して、ソロモン七十二の第二席。魔将フェニックスを召喚。
そのフェニックスとジョゼフが、このハルケギニア世界の使い魔契約ではなく、俺の行使する式神契約を結んだと言う事。
ランダム召喚で何がやって来るのかはお楽しみ、的なハルケギニアの一般的な召喚では、今回の場合はかなり問題が有りましたし、更に、そのブリミル教自体に、今のガリアは敵対する行動を行おうとしている以上、ブリミルに端を発する魔法の召喚術では正常に発動するとは思えませんでしたから。
更に、ダンダリオンに教わった納章に因り、第六席マルファスも召喚してジョゼフの式神に。
同じく、第四十六席オリアスと第六十六席デカラビアはイザベラの式神と為して有ります。
これで、かなりの広範囲な事件が同時多発的に展開されたとしても、ある程度は対処可能と成ったと思いますね。
尚、本来、ブリミル教と地球世界のキリスト教系の宗教との類似点が多い以上、ソロモンの魔将を戦力として召喚するのは害が有る、と言うか、負け戦確定の召喚と成る可能性の方が高いのですが……。
但し、そのガリアに聖槍ロンギヌスを操り、更に聖痕を宿した俺が現れている以上、ヘブライの神の加護はガリアの元に有ると考える方が妥当。ならば、地球世界でもっとも多く読まれた書物に記された内容通りの負け戦に成る可能性は低いはず、と考えて、比較的召喚が容易なソロモンの魔将を召喚したのですが……。
それでも、未だ若干の不安材料は残って居ますか。
ただ、この式神の召喚と契約は早い内に行って置く必要が出て来たのも事実ですから。
何故ならば、現状では、俺の未来が非常に暗くなって来た事が確実で、その所為で、もしもの為の備えが必要と成って来たように感じましたから。
あの時にイザベラが教えてくれた予言詩を一番簡単に解釈したのなら。
そんな、少し……いや、かなり生き急いでいるかのような雰囲気を表に出す事もなく、平時の……。後、三日で今年も終わりと言う年末の慌ただしい雰囲気すら醸し出す事もなく、泰然自若とした雰囲気で、
「トコロで、オスマン老は何時までガリアに滞在して頂けるのでしょうか。出来る事なら、オスマン老には私とシャルロットの婚姻の儀まで見届けて頂きたいのですが」
……と言葉を続ける俺。
もっとも、この質問の本当の
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