第四話「とても不幸でみんなが不幸でそして俺が大富鉱」
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察したのか、好奇や憐憫ないし嘲笑の視線を送ってくる。
その中には春香もいた。やはり、彼女にも自分の毒気が気付かれていたのだろう。その眼差しには侮蔑の感情が込められているように感じた。
(うわぁ…あいつ凄く睨んでるじゃん…)
あたかも視線に気付かないような素振りを見せつつも、内心困惑する。
(元はといえば、化学室の机の冷たさも気にならなくなるようなこの陽気が悪いんだ)
クラスメイトに嗤われ、つい顔が火照ってしまい、つい責任を気候に転嫁してしまう。
気恥ずかしさから二度寝に走ろうという欲求を噛み殺しながら、冬二はそっと溜息を吐いて教科書に手を伸ばす。
押し潰されて開いたままになった教科書は、冬二の体温で机と共にほんのりと暖かかった。
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