原作前のプロタゴニスト
猫又姉妹を拾います
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れより腹が空いているだろ?もう出来ているころだから……大人しくしてろよ?」
そう言うと、少年は部屋を出て行った。
……どうしようかにゃ?あの少年は裏の人間。なら……私の姿を見ても、理解してくれると思う。
私は人間の姿になることにした。
D×D
俺はキッチンに行く前に、イッセーの部屋へ様子を見に行った。
コンコン。
軽くノックをする。……返事がないな。
「入るぞ〜」
ギィ――。
小さく言って、ゆっくり開けてみると……ベッドの上に白い子猫が寝かされている。疲れたのか、その子猫の傍で頭と腕をベッドに乗せて寝ているイッセー。
「(そっとしておこう)」
そ〜とドアを閉め、キッチンへ取りに行く。
取ってきて自室に入った。……俺は目の前にいる少女が目に入った。
「さっきの子猫か?」
何となくわかっていた。あの治療の時に。
「そうにゃ。私は黒歌。もう一人は、妹の白音にゃ」
少女はそう言う。
原作のキャラだった!!
あぁ〜、時間が経っていて……徐々に原作の記憶が薄まっているな、俺。
「そうか。それでなんだが、何故毛布を羽織っているんだ?」
そう、その少女――黒歌は、何故か毛布を羽織っていた。
「……っ!しっ、仕方がないのにゃ!着るモノがにゃかったんだから!」
あぁ〜、そういうことね。だったら――。
「ちょっと待っていろ。今着るモノだすから」
俺はテーブルにお粥を置き、タンスからシャツとズボンを引き抜いて、黒歌に渡す。
俺は壁のほうへ体ごと顔を向けて、黒歌が視界に入らないようにした。
「……もういいにゃ」
俺は黒歌のほうを向く。
うん。サイズはあっているな。胸元は見ないようにして……。
「ありがとにゃ。……それは?」
黒歌がテーブルを指さす。その先には、さっき置いたお粥。
「あぁ、おまえのだよ。カミュが作ったモノだ。食えよ?」
黒歌は座り、お粥を食べ始める。
パクパク……。
「……うぅ…おいしい」
いきなり涙を流したもので焦ったが、どうやら嬉し涙のようだ。
「……よかったな」
俺はポツリと呟いた。
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