As 12 「繋がり」
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たクリスマスプレゼントやケーキから俺に話題が飛び火したり、ちょくちょくはやてや月村が話を振ってくるため帰るに帰れない。
「……ん?」
俯いていると誰かに袖を引っ張られた。顔を向けると、先ほどまでと打って変わって気落ちしているテスタロッサがいた。
「どうかしたの?」
「……はやての横にある本なんだけど」
「本?」
俺の記憶が正しければ、はやての傍に本はなかったはずだ。俺が見ていない間に彼女が取り出したのだろうか。
視線をテスタロッサからはやての方へ向けた瞬間、目に飛び込んできたのは闇の書。全身から血の気が引いていくような感覚に襲われる。
――待て、何で闇の書がここにあるんだ。本来ならば蒐集を行っているシグナム達の元にあるはずだろ。それがここにあるってことは……
ある答えが導き出された瞬間、扉を叩く音が室内に響いた。
「あっ、みんな来たみたいや。どうぞ」
「失礼します」
「「こんばんわ」」
「すずかちゃん、アリサちゃん、こんばんわ……」
笑顔を浮かべていたシャマルの顔が、俺やテスタロッサ達と視線が絡み合うのと同時に驚愕へと変わった。シグナムやヴィータも同様に驚きを隠せないでいる。
「――ッ!」
我に返ったヴィータは、敵意を顕わにした目を浮かべてはやての前に立った。俺を見たときは顔を歪めたように見えたが、それもほんの一瞬。懐いてくれていた彼女も、敵として立ちはだかるようだ。
威嚇するように声を上げるヴィータだったが、丸められた雑誌で頭を叩かれた。振り返った彼女の後ろのいるのは、もちろんはやて。ただヴィータの態度にご立腹のようだ。
「こらヴィータ、お見舞いに来てくれてる人に対してどういう対応や」
「でもはやて……」
「えっと……はじめましてヴィータちゃん」
「あの私達……何もしないよ。大丈夫……ですよね?」
はやての見舞いを続けていいか? とテスタロッサはシグナムに尋ねた。シグナムはそれに事務的に肯定の返事を返す。
不吉な空気が漂い始めるが、シャマルが何事もないようにみんなのコートを集め始める。それによって空気は再び穏やかなものに戻る。だがそれは表面上だけ。事件に関わっている者達の間には、異様な緊張感が付き纏っているように思える。
「念話が使えない……通信妨害を?」
「シャマルはバックアップの要だ。この距離なら造作もない」
「ううぅ……!」
「あの……そんなに睨まないで」
「睨んでねぇです!」
「もうヴィータ、悪い子はあかんよ」
はやてや月村達がいるこの場で戦闘が始まる気配はないが、状況は最悪だ。
ほぼ確実と言っていいほど、このあとシグナム達と剣を交えることになるだろう。だがこれはいい。どちらにせよ、彼女達とは剣を交えてでも話し合わな
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