As 12 「繋がり」
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聞こえた。
「はーい」
はやてが返事をすると、扉が開く音がした。数人の足音が聞こえたかと思うと、続々と来客の姿が視界に飛び込んでくる。
「はやてちゃん、こんばんわ」
「「「こんばんわ」」」
「あっ、いらっしゃい」
まず最初に登場したのは月村。その後一斉に高町、テスタロッサ、バニングスが現れた。
彼女達とははやての言っていたように無関係ではない。月村とは興味のあるものが同じということもあって他の子よりも親しくしていたし、高町やテスタロッサとは魔法関連で付き合いがある。バニングスとはこれといって何もないが、クラスメイトという繋がりくらいはあるため無関係だとは言えない。
シグナム達がいなければ、はやてと一緒にいるところを見られても何ら問題ない。……のだが、女子と二人っきりでいたところを見られるというのは恥ずかしいものだ。思わず身体が硬直してしまったのは言うまでもないだろう。
意外な展開に戸惑ってしまったのはあちら側も同じようだ。だが付き合いの薄いバニングスはすぐさま復活して行動を起こした。
「何であんたがここにいるのよ」
「いや、その……」
「はやてちゃんのお見舞いだよね?」
ずばりそうであったため、素直に頷き返した。
……待て、何で月村はこの状況に戸惑っていないんだ。俺の記憶が正しければ、はやてと知り合いだなんてことは話した覚えはない。
「すずか、何であんたそんなに何事もなかったかのような笑顔なのよ?」
「うーん……簡単に言うと、はやてちゃんの話にはショウくんっぽい男の子が毎回のように出てきてたからかな。だから知り合いなのかなぁって」
「ちょっ、すずかちゃん。毎回のようには言うてへんやろ」
「ううん、言ってたよ。そのときのはやてちゃんって普段よりも嬉しそうだったからよく覚えてるもん」
はやては恥ずかしそうに顔を赤らめて月村にそれ以上言わないでほしい懇願している。とはいえ、今の俺は冷静にそのやりとりを見ていられるはずがない。
はやてとは他の女子とはやったことがないやりとりを色々としてきた。それを話されたかと思うと、顔から火が出そうだ。顔を覆ったまま立ち去ってしまいたい。
「ところで、具合はどう?」
「うーん、退屈すぎて別の病気になってしまいそうや」
月村達には笑いが起こるが、俺はまだ先ほどの後遺症で顔を覆って壁に寄りかかっていた。
はやてと高町達がそれぞれ自己紹介をし始めるが、俺の頭の中はここからどのように出て行くか。また今度彼女達と顔を合わせたときの対応手段を考えることで埋まっていた。
「あっ、これお見舞いのお花」
「それにクリスマスプレゼント」
「わあ、ありがとう」
彼女達の間には穏やかな空気が流れ始め、会話が弾んでゆく。はやてに渡し
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