As 12 「繋がり」
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ぁ」
「でもこの部屋って快適な温度に保ってあるよな」
「……なあショウくん。ショウくんはわたしを喜ばせに来たんやないの?」
「そうだが……現状は必要ないのも事実だろ?」
「今後のために言うとくけど、その変な真面目さ治したほうがええよ」
むすっとした顔を浮かべるはやて。俺は咄嗟に「だったらそっちも適当なところ治せ」と言いそうになる。だが言った先にあるのは他愛のない長い会話だろう。最初の彼女の反応から来客がありそうなので、必要以上に長居はできない。名残惜しさはあるが、できるだけ早く会話を終わらせよう。
「そうだな。お前は真面目って言ってくれるけど、知り合いにはいじわるとか言われるし善処するよ」
「へぇ……知り合いって女の子?」
「そうだけど」
「ふーん……」
はやては、自分から聞いてきた割にはどうでもいいと思える反応をする。大抵のことは表情や声色から読み取れるのだが、今回は彼女の内心が分からない。
シャマルがいればまたちょっかいを出してきそうだから……やきもちでも焼いているのだろうか。でもはやては自分以外に友達を作れといった感じのスタンスだったはず。顔を見ても嫉妬心があるようには見えない。
「…………そろそろ帰るよ」
「え? もう帰るん?」
「もう……って、もうすぐ5時になるんだが」
冷静に返事をしたが、ふとあることに気が付く。
普段のはやてならば、帰ると言えば素直にまた今度といった意味の返事をして見送るはずだ。だが今回は、帰らないでほしいと取れる言葉を発した。
……はやては不安なんだ。シグナム達と前ほど一緒にはいなくなっているし、人前では見せていないだろうけど闇の書の侵食で苦しんでいる。肉体的にも精神的にも参って当然だ。
はやての頭にそっと手を乗せて優しく撫で始める。
「まあ……もっと居てもいいんだけどさ。ただこの後誰かと会うんじゃないか? 最初の反応を見る限り、誰かと間違えてたみたいだし」
「そうやけど……別にショウくんがおってもええと思うよ」
「いやいや、無関係の俺がいるのは不味いだろ」
多少の繋がりがあるのならまだいいが、全く知らない人間だったら気まず過ぎる。
自分自身で言うのもなんだが、対人スキルが高いとは言えない俺が見知らぬ人間と上手く会話できるはずがない。
「わたしが思うに無関係やないと思うよ」
「その根拠は?」
「これから来る子らは、わたしらと同い年でショウくんと同じ学校に通っとる」
「……お前、俺が同学年全員と知り合いだとでも思ってるのか?」
「思ってるわけないやろ。ショウくんって人付き合いとかは不器用なんやから」
失礼な、と言いたいところだが自分でも認めている部分であるため反論できない。あれこれ何を言うか考えていると、扉を叩く音が
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