As 12 「繋がり」
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で「いやツッコんでる」といった返事を返してくる。即座に否定の言葉を口にしようかと思ったが、冷静に流れを考えると似たようなやりとりが続きそうでならない。どう返事をしたものかと考えていると、突然はやてが吹き出した。
「何だよ?」
「いやな、さっきまで緊張しとった自分がバカらしゅうて。今度会ったときどないしようって思ってたけど、案外話してみると普通に話せるもんやな」
「まあ別にケンカしてたわけじゃないからな」
穏やかな空気が流れ始め、互いに笑顔を浮かべる。
長居するつもりがない俺は、立ったまま話してもよかったのだが、はやてが自分の隣に座るように促してきたので従うことにした。
「なあショウくん、今日は何持ってきたん?」
「俺が渡してから開けていいかって聞くのが一般的な流れじゃないか?」
「子供を見るような目をしたって無駄や。だってわたし子供やもん」
「普段は自分の方が年上だのお姉さんだの言うくせに、お前って調子の良い奴だよな……」
これまでと同様に呆れながら持ってきた荷物を順番に取り出していく。
「この箱はケーキで、そっちの包みがプレゼント?」
「ああ」
「開けてもええ?」
と聞いてきた割には、返事を待たずに開け始めている。まあここでダメと言うのならば、最初から持ってきてはいないため別にいいのだが。
普段は同年代よりも大人びて見えるはやてだが、こういうところを見ると年相応の女の子だと感じる。このように感じるから、叔母からは子供らしくないと言われてしまうのだろう。
はやては箱を開けてケーキを見ると嬉々とした笑顔を浮かべたが、ピタリと止まったかと思うとそっと蓋を閉めた。
「何か嫌いなものでも入ってたか?」
「いや入っとらんよ。ただ……」
「太りそうだなってことか?」
「違う……って、よくそんなこと女の子に言えるなぁ」
「相手がお前だからな」
はやては微妙な顔を浮かべた。おそらく親しい間柄だから言われているということで喜びを覚えているのだろうが、その一方で女の子として扱われていないようで不服なのだろう。こういうときは話を進めるに限る。
「で、結局何が言いたかったんだ?」
「本当は分かっとるんやないの?」
「まあいくつか候補は浮かんでる。前に言ってた女としてのプライドがどうのってやつとか」
「分かっとるやん」
それならば質問するな、という視線を浴びせられたが、俺はこれといって反応しなかった。
返事を返すとなると、必然的に確実に合っているとは限らなかったというニュアンスのものになる。それを言えば、面倒臭い流れになるような気配がしたからだ。無言を貫いていると、はやての興味は包みの方へ移る。
「中身は……手袋にマフラーやん。寒さもどんどん増していっとるし助かるな
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