第56話 「くたばれ、皇太子!! (ラップ心の叫び)」
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わしも育てる事にするかのう。
そうと決まれば、面接は年若い者を選ぶとするか、今から楽しみじゃ。
■宰相府 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■
「余が思うにっ!!
異常者が生息する社会に、未来は無いっっ!!
例えば、華奢で柔でデリケート。その上、清楚で可憐で繊細な、ナイスバディな女性を寵姫に迎えておきながら、一向に手を出す気配も無く。他の女性に手を出そうとする最低な男がいる。
このようなケダモノを駆逐する事こそ、人類の統治者たる余の使命であるっ!!」
ルドルフ(アンネローゼ)・フォン・ゴールデンバウム(ミューゼル)。
「……アンネローゼ。いきなり何を自己主張してんのよ」
「ちょっとやばくない?」
「やばいやばい」
まったくマルガレータさんとエリザベートさんは、あいかわらず失礼な人たちだと思います。
わたしがそんな事を言うわけ無いじゃないですか……。
「言ってたじゃん」
「幻聴です」
わたしの心の声を聞かないで下さい。
「それにケダモノって、皇太子殿下の事?」
「こわいねー」
「こわいこわい」
だーかーらー人の魂の叫びを聞くなというのにっ!!
まったくなんて人たちでしょう。失礼極まりない。わたしならこう言います。
「中に誰もいませんよ」
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