第二十話
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「………やはり王双は曹徳ね」
「は…………」
曹操は自軍に戻る最中、ポツリと呟き夏侯淵が頷く。
「軍儀で私を見つけた時は驚いてたけど直ぐに目を逸らしたわ。それに曹徳が何か嘘をつく時は何時も頭をかいていたわ」
「………よく見ているのですね」
「私は曹徳の姉よ? 姉は義弟の事を何時も見ているのよ」
曹操が笑う。
「ですが……曹徳様に真名は……」
「えぇ。母上が嫌って付けてはいなかったわ。恐らく曹徳は自分で付けたのよ。曹家との絶縁の意味でね……」
「……………」
曹操の言葉に夏侯淵は何も言わなかった。
まぁ、実際は真名が無かったから自分で前世の名前を付けただけなのだが……。
「でも……戦略はまだまだだけど、武は強くはなっているわ。まぁまだ私達には敵わないけど」
「曹徳など私の大剣で地に伏せさせてみますよ華琳様ッ!!」
夏侯惇が意気込む。
「あら、頼りにしているわ春蘭。さて、私達も準備をしましょ」
歩いて話しをしているうちにいつの間にか自軍の陣営に到着していた。
「「はッ!!」」
夏侯姉妹は曹操に元気良く返事をした。
―――夏侯惇SIDE―――
「ふぅ……」
私は天幕に設置されている椅子に座る。
「……やはり曹徳殿は生きておられたか……」
思わず安堵してしまう。
「おっと、曹徳にはキツイ目で見ないとな。何せ、曹徳殿からの命令だからな……」
『曹操を何が何でも守れ。俺の事は気にする な』
私が幼少時に曹徳殿とお会いした時に言われた言葉。
最初は分からなかった。
だが、曹徳殿が華琳様より劣るのを知った 時、分かってしまった。
『曹徳殿は始めからこうなるのを分かっていたのではないか?』
……曹徳殿、私は華琳様を必ず守ります。
だから……貴方は貴方の道を歩んで下さい。
夏侯惇は天幕の外に出て青空を見た。
―――森の中―――
「ブェックシュンッ!!」
俺は盛大に嚔をした。
「……五月蝿い。気付かれる」
「分かったから怒るな孫権」
誰か噂をしているのか?
……多分夏侯惇だな。
俺の言葉を勝手に美化してるんだろう。
あぁそうそう。
俺は奇襲部隊の司令官として、廃城の後方にある森の中に潜んでいた。
袁術軍からは五千、孫堅軍は二千五百、曹操軍も二千五百だ。
袁術軍からは俺、凪、クロエ。
孫堅軍からは孫権、甘寧、周泰。
曹操軍からは夏侯淵が来ていた。
孫権が参加しているのは戦に馴らすためらしい。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ