高校一年
本格的始動、そしてつまずき
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れでも地区内トップクラスのチームである事には間違いがない。
「ま、俺がナンボ抑えるかやな!まずは一発、デカい獲物から仕留めたるわ!」
鷹合は呑気だが、貼り出された組み合わせ表を見た大体の部員がお通夜モードに突入した。
三龍とは、ハッキリ言って格が違う相手である。
「こらぁー!何ボケっとしとるんだぁーっ!練習だ練習!勝つぞー!オラーッ!」
鷹合と同じほど、無邪気に意気込むのは監督の乙黒。ドヤされた部員は、慌てて放課後の練習に取りかかる。
(……まぁ、秋の初戦だし、やりようはまだあると思うけどな)
宮園は単純に気合いを入れている鷹合を遠目で見ながら、心の中でつぶやいた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「さぁーいきましょー!」
「「「さぁーいきましょー!」」」
翼ら20人足らずのベンチ外部員がメガホンを口に当てて叫ぶ。太鼓要員がドコドコとリズム良く大太鼓を二本のバチで叩く。
ランナーは2塁、打席には3番の渡辺。
(いける!)
カーン!
渡辺の振り抜いた打球は左中間に弾み、2塁ランナーはホームに帰ってくる。
一塁ベース上で渡辺が拳を小さく握り、三龍ベンチが沸き返る。
「先制点、くれたぞ」
「せやなぁ、ウチの打線にしては珍しいで」
ベンチ前でキャッチボールしている鷹合と宮園のバッテリーが会話を交わす。
ゴキっ!
渡辺の次の打者はセカンドゴロで併殺。
この回の三龍の先制点は結局渡辺のタイムリーの一点のみとなった。
「んも〜、ほやさけ林さんはぁ〜」
「関係ないだろ?お前なら一点で十分」
「あ、確かにな。」
宮園のおだてにしっかりと頷き、鷹合は先発のマウンドに駆けていった。
ーーーーーーーーーーーーー
ガキッ!
「オーケッ!」
サード飾磨の前にボテボテとゴロが転がる。
飾磨は丸い体を軽快に動かして打球をすくい上げ、一塁へ糸を引くような送球。
一塁手のミットが音を立ててボールを掴み、その一塁手から勢い良く内野にボールが回される。
(帝王大は基本イケイケドンドンの強打のチーム…特に策は練ってこないってのは本当だな。1番も2番もファーストストライクを打ってきたし…)
内野ゴロ二つで二死をとり、宮園は手応えを感じた。コントロールはバラバラで、変化球の精度も低いが、それを差し引いても鷹合のストレートの球威はかなりのモノがある。まだ1年の秋だが、140キロ近く出ているのではないかと思わせるボールを投げていた。
(ノーコンだからリードし甲斐は全くないけど、それでもやっぱ全国ベスト8入るだけあるな。)
<3番、レフト、高垣君>
「っしゃーす」
打席には大柄な左打者・高垣和也が
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