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子がおかしいのだ。
「何なんだよ、クソ・・・っ」
ぐしゃっと赤い髪を掴み、表情に苛立ちを浮かべる。
自分の調子が悪い理由が解らない。
ただ何かが漠然とアルカの中にあって、それが正常な歯車を狂わせている。
ここまで調子の悪さに苦しむのは、2年前のあの時以来だ。
大地が使えず、どれだけやっても発動すらしなかったあの時。
(やっぱ・・・アレが原因っつー事か?)
1つだけ、思い当たる事がある。
あの日、魔水晶で見た映像。
男女が映るあの映像は、アルカにとっては大きなダメージだった。
だが、ここまで調子が悪くなるほどのダメージではなかったと思う。
(・・・いあ、考えられんのはアレだけだ)
考えれば考えるほどに、疑わしいのはあの魔水晶。
流れた映像はアルカにとってはショックなもの。
見た時は何とも思わなかったが、まさか後からこうなるとは。
そう考えると、リボンが解けるようにするりと納得出来た。
(ティアから渡されたあの魔水晶―――――――・・・)
アルカは結論を出した。
が、ティアが悪い訳じゃない。
あの魔水晶を頼んだのは・・・。
否、あの中の映像を頼んだのは、紛れもなく自分なのだから―――――。
路地に身を潜めるティアは、ショルダーバックから封筒を取り出した。
美しい模様が描かれた封筒から便箋を取り出し、三つ折りのそれを開く。
そこには綺麗な文字でこう書かれていた。
ティアへ
貴女も解っていると思うけど、もう時は来たの。
2年前は貴女の大事な人が死んだと聞いたから何もしなかったけど・・・もうそういう訳にはいかない。
星竜の巫女としての役目を果たしなさい。
一族の為に散るのが巫女の運命・・・解っているでしょう?
1週間の間に迎えに行くわ。
解っていると思うけど・・・貴女に拒否権はないの。
異端児の貴女には、本来カトレーンを名乗る事すら認めたくないのに・・・。
唯一“正式なカトレーンの人間”のクロスの頼みだから許しているけど、解ってるわね?
シャロン=T=カトレーン
「・・・」
便箋を三つ折りに戻し、封筒に戻す。
投げ捨てるようにショルダーバックの中へしまって、ファスナーを閉めた。
(解ってるわ・・・私に拒否権がない事くらい、とっくに知ってる)
背後の壁に背中を預け、ティアは俯く。
帽子で見えないその表情は、辛そうに歪んでいた。
誰に告げる訳でもなく、ティアは呟く。
「もうすぐお別れね・・・妖精の尻尾とも」
「
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