暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第39話 嘘吐きは最低?つまり私は最低です
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公爵とカリーヌ様の顔が歪みました。
「精霊による治療が駄目なら……」
「許さんぞ!! カトレアを切り刻むなど絶対に許さん!!」
公爵がヒートアップして、怒鳴り声を上げました。カリーヌ様は一見冷静に見えますが、これは確実に、嵐の前の……ですね。
「安心してください。精霊による治療が不可能な場合は、三つ目の虚無魔法ディスペル・マジックによる治療法を実行する心算です」
「何を言うか!! 使い手が存在しない系統など!!」
怒りをあらわにする公爵に対して、私は静かに首を横に振りました。
「担い手は存在します」
私の言葉に、公爵が固まりました。
「虚無の初歩の初歩の初歩。エクスプロージョン《爆発》その威力は絶大で、込めた精神力によっては、地表に小型の太陽を創り出します。また、途中で詠唱を止めても発動可能で、小型の爆発程度ならワンスペルで発動可能です」
公爵とカリーヌ様は、私の説明に数秒遅れて目を見開きました。しかし、絶句したまま固まっていて、言葉をまともに出せる状況ではない様です。
「虚無の担い手は通常のメイジとは規格が違い過ぎ、自分の系統を真に理解しなければコモンスペルさえまともに使えません。この状態では、最も相性が良い虚無魔法が暴発します」
これについては、ある意味予想通りです。ガリアのジョゼフ第一皇子は、魔法を使っても全て不発に終わっているのです。発動するのが、プチ《加速》なのでそう見えるのでしょう。
「ですので……」
「待て!!」
復活した公爵に、説明を中断させられました。
「確証……いや。証明は出来るのか!?」
「出来ます」
私が即答すると、再び公爵は固まりました。
「証明方法は二つあります。しかし、現状では証明するのはお勧めしません」
「何故ですか?」
固まった公爵の代わりに、カリーヌ様が口を開きました。
「ルイズが虚無と判明すれば、如何なると思いますか?」
私が質問に質問で返すと、カリーヌ様の顔が引きつりました。
「先ず、ルイズは戦争の道具として、まともな人生を送れなくなるでしょう。そして下手をすれば、トリステイン王国は内戦状態になります。それは『虚無の系統は、王家の正当な後継者に現れる』と、大義名分を振りかざす者達が出て来るからです。そう言った者達に、わざわざ火種をくれてやる事はありません。政治的回避方法はいくらでもありますが、それには入念な準備が必要です」
私はここでいったん切って、公爵とカリーヌ様の表情を確かめました。2人とも真剣な表情で、私の顔を見ています。
「ここで問題になって来るのは、ルイズが決して暗愚では無いと言う事です。二つの確認方法は、そのどちらも自分の系統に辿
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