暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第39話 嘘吐きは最低?つまり私は最低です
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くなります。歩く等の軽い運動をして、体力を付ければ球が膨らみ辛くなります」
「……治療法は?」
公爵とカリーヌ様が、理解する間を十分取ってからカトレアが問い掛けて来ました。
「治療法は三つです。一つ目は、この球を物理的に体外へ摘出する事です。カトレアの体を切り、周囲の体組織ごと切り取ってしまいます。リスクは、死や重度の後遺症が残る可能性が、非常に高い事です。成功しても、治療法が公になれば異端扱いです」
ここでカトレアは、首を横に振りました。公爵とカリーヌ様も、眉間に皺を寄せています。
「二つ目は、精霊による治療です。精霊をカトレアの体内に侵入させ、球を体外に運び出してもらいます。この治療法は、死や後遺症のリスクはありません。しかし、この治療法が公になれば、一つ目以上に不味い事になります。……後は、精霊を説き伏せられるかが問題ですね。私はこの治療法が、一番良いと考えています。(実は性魔術で解決して、この治療法と偽る心算です)」
カトレアは頷いて居ましたが、喜びを隠し切れずニコニコと笑顔がこぼれています。公爵とカリーヌ様は、一瞬だけ眉間に皺が寄りましたが、カトレアの顔を見て同時に溜息を吐きました。
「そして、三つ目です。これは……」
私はそこで言葉を止めてしまいました。(本当に言っても良いのか?)と言う迷いが、如何しても拭い去れないのです。
「ギル。……言って」
カトレアに促されて、私は頷きました。
「ディスペル・マジック《解除》と言う魔法による治療です。この魔法で球を分解除去すれば、カトレアは完治します。これもカトレアの身体上のリスクはありません。ただ問題なのは、この魔法が伝説の系統である“虚無”だと言う事です」
私の言葉に、カトレアが真剣な表情で頷きました。公爵とカリーヌ様は、“虚無”と言う言葉に反応しましたが、現実味が無いと判断したのか私達の誓いを
慮
(
おもんばか
)
ったのか、口を挟んで来ませんでした。
「ギルバート。カトレア。私とカリーヌは、今の話を
偶然
(
・・
)
聞いてしまった。知ってしまったからには、私達には隠す必要は無い。これ以上病の原因と治療法について、聞きも聞かせもせんと誓おう」
そして、公爵はカリーヌ様に目で合図しました。カリーヌ様は頷くと……。
「私も、聞きも聞かせもしないと誓うわ」
誓ってくれました。
「精霊による治療を、絶対に成功させてくれ」
公爵とカリーヌ様は、虚無魔法による治療をスルーして、精霊による治療で解決すると認識した様です。その認識では正否以前に、最後の話に繋がりません。
「はい。全力を尽くします。しかし、事は精霊の矜持に反する事です。精霊が聞き入れてくれる可能性は、決して高いとは言えません」
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