暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
シャイン、名状しがたい宇宙生物を発見するの巻
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けれど、今私が人間ならば、泣いているんじゃないかと思います。初めて、事情を分かってくれる人間に会えたことに。


司書のせいでこんな体に転生させられ、転生先の私を作り出した母体―――言うまでもなくクトゥルクトゥルしい何か―――から同族を増やして来る使命を受け、実際に一つの星を・・・

本当に嫌なことでした。目の前に現れただけで殆どの人は発狂しちゃって・・・それが当たり前になってしまったって、納得するまでずいぶん時間がかかりました。あとは発狂した人を利用してちまちま人を洗脳・改造していって、何年かかけて知識の殆どを吸収して。

でも・・・私は本来の目的を果たさずに逃げました。

転生者でなければ持ち得ない、地球人としての確固たるメンタリティが拒絶したからです。
私には、それ以上続けることが出来ませんでした。

わたしは種族を学ぶために生命体の血肉を喰らいます。おぞましく狂気的に、しかし当然の如く。
それはその星の種を正しく理解し、正しい形で「改造」するために必要な知識の吸収で・・・必要な情報が揃った時に、私は『咲く』のです。

母体というタンポポから分離し、綿毛に乗って飛び、そこに根付く。その行為によって私の個としてのメンタリティは失われ、ただ単に星の命を改造するのに必要なモノを生産するプラントと成り果てる。

私は死に、星は私の子で・・・肉塊で溢れる―――耐えられませんでした。

それ以上人を改造することも、喰らう事も、役目を果たし「死」を迎えることも。だから私はピースをすべて揃える前に役目を捨てて、星の海に逃げ出したんです。


そして、気が付けば私は地球へ向かっていました。


 ―――集え、始まりのもとに―――


誰かが呼んでる、そう感じた時には私の身体は既に地球に引かれていました。私たちの種族は、種を広めるために知らない知的生命体の思念に引かれるよう出来ているのです。それは本能であり、遺伝子の奥底に刻み込まれた肉体を構成する要素でした。

同時に、私の魂も地球に惹かれました。

地球!青い星!美しい星!本当の母星(ははぼし)!私のいた所だ!!

もう、地球に行くことしか考えられなくなって―――そこに、彼が立ち塞がったのです。

それは子供でした。
それは3次元を超えた空間を飛んでいた私を宇宙空間で正確に止めました。
その子供は生身で宇宙空間を生きていました。
私を見ても眉を一瞬顰めただけでした。

私はこう思いました。この子供は、子供の姿をした化物だと。

化物なら、通してくれてもいいのに。地球に帰らせてくれてもいいのに!


『どうして私の邪魔をするの!?私を、私を通してよこの化物!!』
「・・・ハハハハ$、Hhp@ナニヲ?瑠樺.:[ワカンネ*=O{堊!
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