第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十八話 罪と罰と…
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、と言う様に微笑み返した。昔の夢を見ていたせいか感情的なこいしが愛おしくて仕方なかった。
「落ち着きなさい、大丈夫よ泣き虫さん♪…ごめんなさいね心配させて」
「ううん気にしないで!幽香お姉ちゃんが無事ならそれでいいんだから!」
こいしの目元を拭いながら私がそう言うとこいしも満面の笑みで答えてくれる。こいしの声で目を覚ましたのだろう、さとりが顔を上げさっきのこいしと同じ様に眠気眼で私を見ていた。
「おはよう寝坊助さん♪寝起きの顔も可愛いわよ、さとり」
さとりの頬を撫でながらそう言うとさとりは私の手を握りながら泣き出した。
「…幽香姉さん…良かった…五日も目を覚まさなかったから……本当に良かった!」
そして私の胸に飛び込んでくると声を押し殺しながら泣き続ける。こいしもそれにつられたのか再び私に抱きつき泣き出してしまった。こんなに心配させて姉失格ね。
「そういえば此処は何処なのかしら?」
私が二人にそう尋ねるとさとりが顔を上げながら、
「此処は七枷の郷の七枷神社ですよ幽香姉さん、……何があったかその…憶えていますか?」
「…えぇ憶えているわ、けどあんな事をした私がどうして神社で介抱されているのかしら?…!?それより貴方達無事だったのね!ごめんなさい!自分の事で失念してたわ!」
そうだ私の事よりもこの子達の無事を喜ぶべきだった、こんな様じゃ本当に姉失格だ!
「えーと話すと少し長くなっちゃうんだけど……」
こいしが説明を始めようとした時、部屋の外から声をかけられる。
「さとりさ〜ん、こいしさ〜ん起きてますか?失礼します、お二人共ご飯だ出来まし……!?…目を覚まされたのですか……」
部屋に入ってきたのは緑色の髪をした青い袴の巫女だった。巫女は私をきつく睨みながらさとり達に声をかける。
「すみませんお二人共、すぐに虚空様達を連れて来ますので」
巫女は二人に頭を下げるともう一度私を睨み足早に部屋を後にした。
「さとり…虚空っていうのは…」
「この神社の祭神です。そして私達を助け出してくれた恩人。それとさっきの女性は栞さんと言ってこの神社の巫女です。姉さんを睨んでいたのは…その…」
説明に言い淀むさとり。まぁ理由は簡単だろう、自分の住む都を破壊した張本人に良い感情なんて湧く筈が無い。
「…さて私はどうなるのかしらね……」
「だ、大丈夫だよ!だってお兄ちゃん優しいから!それに幽香お姉ちゃんは悪い奴に操られていただけだもん!」
「ありがとうこいし」
私はこいしの頭を撫でながら自分の処遇に不安を抱いた。自分はどうなってもいいがその後この子達の身の安全をどうすればいいのか?
□ ■ □
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