自称王と他称王
八話
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ら真正古代ベルカの遣い手だろう。けっこう豪胆な子なんだな、となのはの脳内に万年幼児体型の同僚なイメージが湧く。
「でも、ヴィヴィオには気になる、かな? さっきの質問と関係ありそうだし」
「うん。わたしも同じだったからやりたくてやったんじゃないって分るし、アレクさんも末裔っぽいから何か力になってあげたいんだけど……自分でどうにかしちゃうんだよねぇ〜」
「なるほど……?」
力に成りたいけど成れない、といった感じだろうか。なのはも似たような経験があるが、どうやら種は違うようだ。脱力して項垂れるヴィヴィオに何とも言えない懐かしさを覚える。
だが、何か別に気になる事を耳にしたような?
「……覇王の末裔ってもう一人の子じゃなかったっけ?」
「そうだよ。でも、アレクさんも何処かの王の末裔っぽいの。同じ諸王時代のアレディ・ナアシュって名前みたいだけど、ママ聞いた事ある?」
「う〜ん……無いなぁ」
「ノーヴェは知ってそうなんだけど教えてくれないんだよねぇ。……アレクさんに口止めされてるのかなぁ」
力に成りたいけど成れない、加えて踏み込んで良いか判らない、といった所か。王の血縁等は無暗に知らせないノーヴェの気遣いも分るが、やはり親としては娘を応援したい。
「ヴィヴィオ、本人から教えないって言われたの?」
「ううん、まだ聞いてないけど……いいのかなぁ?」
「訊くだけならいいんじゃないかな。ノーヴェは優しいから気を回し過ぎって事もあるし。それに、仲良くなりたいんでしょ?」
「そっか。……うん、仲良くなりたい。ママ、ありがと!」
「どういたしまして。その調子でもう一人の子に試合を申し込んでみたら?」
「それは全快したらやってくれるってアレクさんが取次してくれた!」
「あら」
「じゃあヴィヴィオは試合に向けて魔法の練習に行ってきまーす!」
ちょっと締まらなかったな、と思いつつ、なのはは元気を取り戻した途端バタバタと駆けて行くヴィヴィオを見送った。その姿は幼い頃の自分を見ているようで、恥ずかしくも懐かしい。
だが、こうなったら止まらないだろう。そして、そう遠くない内に家に連れてくるだろう。なんせ自分の娘だ、必ずやってみせるだろう。
だから、自分は会える時を楽しみに待っていよう。
「さぁて、アレクちゃんとアインハルトちゃんはいったいどんな子なのかなぁ?」
『Look forward,master』(楽しみですね、マスター)
「そうだね、レイジングハート」
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