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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos20-B騎士と魔導師の戦舞踏〜3rd Encounter〜
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†††Sideシグナム†††

「何用だ?と、訊ねるのは野暮というものか」

蒐集活動を行った後に襲撃してきたリンドヴルムの私兵を返り討ちし終え、主はやての待つ大切な我らの居場所、海鳴の街へと帰ろうとした時、あの娘らが私の前に姿を現した。
蒼天に輝く太陽の下、地平線の彼方まで広がる砂漠にて主はやてのご友人、アリサ・バニングスと月村すずかの2人が私と対峙する。2人が防護服姿で居るのは、戦いに来たのではなく、魔法の守り無くしてこの環境下で居られないためであってほしい。しかし起動済みのデバイスを持っている以上、そんな甘いことは思ってはいられんのだろうな。

「セイバー。あんたを止めに来たわ。この、フレイムアイズ・イグニカーンスでね!」

「ア、アリサちゃん! 戦いに来たんじゃなくて話をしに来たんだよ!?」

バニングスの手には“フレイムアイズ”という銘の片刃剣が握られており、そして私に見せつけるように掲げた。そんなバニングスを窘めるのは月村。共にデバイスに僅かな変化が見られる。おそらく私に惨敗したことで強化して来たのだろう。が、それだけで私を超えられるなどと思われていると思うと呆れるばかりだ。

「セイバーさん。私たちは守護騎士のリンカーコア蒐集を止めに来たんです」

「そうか。しかし我々は止まれんよ。以前にランサーが言ったろう? 蒐集しなければ我々の主、オーナーは絶命してしまうのだ。治癒魔法も現代の医療技術も通用しない以上、完成させることこそがオーナーの救いとなる」

シュリエルの話では“闇の書”はもう壊れており、ただ完成させただけではかえって主はやてを絶命させてしまうという。しかしルシリオンの提示したシナリオではその可能性は少ないとのことだ。主はやてが我ら守護騎士ヴォルケンリッターに注ぐ愛情。その愛情が大きければ大きい程、“闇の書”の呪いに打ち勝てる。それがルシリオンの提示した最後の希望だった。
私は――我々は、主はやてのその想いの強さに賭けることにした。想いの強さで“闇の書”の呪いを跳ね返す。昔の我々ならそのような曖昧な感情論で“闇の書”のプログラムをどうにか出来るとは思えなかっただろが、今は違う。主はやてならばきっと。そう思えてしまう。

「ゆえに今は我らの蒐集行動を見逃してもらいたい。・・・我々は管理局とは敵対したくはない。全てを終えた時、これまでの罪を償うために出頭する、という誓いは必ず果たす。それに・・・管理局と関係があり、尚且つ民間人であるお前たちを蒐集したことについては申し訳ないと思っているのも変わらずだ。出来ることならもう2度とお前たちを傷つけるような真似はしたくない。だから退け」

「はいそうですか、って退けないわよ。どうしても蒐集行為をやめてもらうわ。たとえそれが無理やりでも。あんた達の主の命
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