第三話 怪人と炎その十
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「二人にしても」
「いや、おかしいだろ」
「どう考えましても」
「他にもプロ市民あがりの庶民派もいるよ」
今度はこの手の輩を話に出す。
「プロ市民については知ってるよね」
「いつも自衛隊の悪口を言ってる人達だよな」
薊はプロ市民と聞いてこう智和に返した。
「あの連中だよな」
「天枢君は横須賀育ちだからね」
「いつも見たよ、そうした連中」
「そうだね、横須賀は自衛隊の街だからね」
海上自衛隊最大の基地があるし防衛大学校もある、アメリカ軍の軍港まである。
「そうした勢力がよく来るよ」
「そうだよ、それでいつも観てたんだよ」
薊にしてもそうだったというのだ。
「ガキの頃から胡散臭いって思ってたよ」
「どうしてそう思ったのかな」
「平日でも団体で来て騒いでたんだよ」
そのことからだというのだ、薊がそうした手合に胡散臭いものを感じていたのは。
「何処からともなく大勢さ」
「平日にだね」
「普通働いているか学校だろ」
平日だからだというのだ。
「しかし日本のあちこちから来てな。どうやって来たのかってな」
「移動にもお金がかかるからね」
これが無視出来ないのだ、移動費という問題は文明世界においては常について回る。草原で馬に乗って暮らしているのもまた草原の文明であるがこの場合は定住している場合だ。
「どうしてもね」
「だよな、どうやって金が出て何やって食ってるんだってな」
「そこがわからないからなんだね」
「院長先生が言ってたんだよ」
こうも言う薊だった、今度は恩師の言葉を出したのである。
「金の出所がわからない奴には気をつけろってな」
「収入がわからない人はだね」
「ヤクザ屋さんがそうだからさ」
「ヤクザ屋さんの収入源はいいものじゃないよ」
言うまでもなく犯罪行為によってだ、ショバ代等を強引に要求したりもする。
「あの人達はね」
「ああ、だからな」
「天枢さんは最初からおかしいって思ってたんだね」
「あの手の連中についてはさ」
「プロ市民の収入については不明瞭であることが多いんだ」
実際にだ、そうだというのだ。
「そしてその関係もね」
「胡散臭いんだな」
「過激派であることが多いよ」
それがプロ市民の正体だというのだ。
「隠れ蓑にしていたりするんだ」
「過激派ってあれですよね」
その言葉を聞いてだ、裕香も智和に問うた。
「全共闘とかの」
「そうだよ、中核派や革マル派だよ」
有名なのはこうした手合いだ、その他にもいるらしい。
「そうした勢力が正体である場合が多いんだ」
「あの、じゃあ」
「彼等は庶民派じゃないよ」
プロ市民も然り、というのだ。
「間違ってもね」
「間違ってもですね」
「そして悪いことにね」
智和は深刻な声で語
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