TURN140 死線その三
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「どうやら」
「そうか、じゃあな」
「ああ、いけるよ」
例え相手が大怪獣達でもだというのだ。
「勝てなくとも半年はね」
「耐えられるね」
「例え敵が毎日来ても」
大丈夫だというのだ、そして。
連合艦隊は大怪獣達にさらに攻撃を浴びせてだ、そのうえで。
止めにその腹に潜水艦達が魚雷を放った、その腹に直撃を浴びせてだった。
大怪獣達を倒した、初戦は鮮やかな勝利だった。
しかしその勝利にもだ、柴神は険しい顔で言うのだった。
わかっていると思うが」
「ああ、すぐに来るんだな」
「うむ、今日にでもな」
来るというのだ、敵が。
「だから油断はしないことだ」
「わかったぜ、じゃあな」
それではとだ、田中は柴神に応えたうえで。
勝利に喜ぶことなく全軍を港に下がらせた、そうしてだった。
提督と将兵達にだ、こう言った。
「じゃあいいな」
「はい、今はですね」
「休め、いいな」
そうしろというのだ。
「運動をしてもいいけれどな」
「英気を養えと」
「そう仰るのですね」
「そうだよ、英気は養える時に養えよ」
戦いの中でだ、そうしろというのだ。
「長い戦いになるからな」
「わかりました、それでは」
「今は」
「俺は食う」
田中はそうするというのだ、では何を食べるかというと。
「寿司か鉄火丼でもな」
「そこでも海の幸なんですね」
そのことを聞いてだ、小澤が突っ込みを入れた。
「田中さんらしいですね」
「ああ、魚が一番好きだからな」
実に魚屋の息子に相応しい言葉だった。
「ちょっと寿司屋に行って来る」
「では私はエロゲをしています」
「女がエロゲをするのかよ」
「ボーイズラブのものを」
エロゲはエロゲでもそちらをするというのだ。
「これが中々楽しいのです」
「そうなのかよ」
「そうです、では」
こんなことを話してだった、それぞれ英気を養う。初戦には勝っても油断できないことは誰もがわかっていた。
実際に次の日にまた来た、その次の日も。
ラメダスと大怪獣達は毎日来た、時には一日に二度三度とだ。連戦に次ぐ連戦だった。
皆次第に疲労が蓄積されていく。だが第十世代の艦艇と大修理工場に軍事基地を置いた万全の備えが功を奏していた。
それに率いるのは歴戦の提督達だ、提督達には犠牲者を出すことなく将兵の損害も軽微なまま三ヶ月が過ぎたのだった。
その中でだ、東郷は日本に言った。
「田中の采配もいいな」
「そうですね、これまでは突出が目立っていましたが」
二人は今食堂でカレーを食べている、その中で話しているのだ。
「今は冷静ですね」
「しかも的確な采配だ」
「かなり成長されましたね」
日本はカレーを食べつつ微笑んで言う。
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