歌い手、至高の一品を知る
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し・・・」
「あ、あの」
おずおずと、隣からロロちゃんの声が聞こえてくる。
「あ、うん。なに?」
「いえ、ですね・・・指揮者も、歌い手も・・・至高の一品はあります、よ?」
「え?」
このとき、僕はかなり間の抜けた声を上げていただろう。
「え、でも・・・歌、だよ?」
「はい・・・確かに、歌い手は“音楽シリーズ”の中で唯一、楽器がなくても発動できるギフトです。・・・指揮者も、指揮棒がないと発動できませんから」
あ、指揮者は指揮棒がないとダメなんだ・・・
なら、指揮者も指揮棒が至高の一品、なんだろうな。
「でも、歌い手にも至高の一品は存在するんです。・・・至高の一品でなければ、ないほうがいいですけど、至高の一品であれば、それまでとは比べ物にならない音楽を奏でることが出来るとか・・・」
そのあたりは曖昧なのだろう。
かなり語尾が濁した感じになっている。
「・・・じゃあ、歌い手のためのって、どんなものが・・・」
「・・・マイク、です」
ロロちゃんは、そう言っていた。
「マイクが、歌い手にとっての至高の一品となりえるんです」
「マイク、か・・・」
といわれても、これまでに思い入れのあるマイクなんて、なかったんだけど・・・
「ああ、奏。“ノーネーム”が到着したぞ」
と、そんな事を考えていたらサラさんがそう伝えてくれて、その後ろから皆が入ってきた。
・・・まあ、いいや。また時間があるときに考えよう。
そう決めて、僕は頭の中からマイクのことを追い出した。
ロロちゃんの説明をした後、黒ウサギさんがブラックラビットイーターがあると聞いて、地下の展示会場まで行ったりしたけど・・・まあ、うん。
そこまで気にするようなことではないだろう。
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