歌い手、至高の一品を知る
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ながらたずねる。
「はい。・・・ポロロ君やキャロロお姉ちゃん、パパ・・・家族みんなが私の誕生日に送ってくれた、思い出の品なんです」
そう言いながらロロちゃんが楽器を持ち上げて床に置くと、様々な打楽器に姿を変えていく。
「・・・“音楽シリーズ”には、大きく分けて四種類あります」
そう言いながら、細かい説明を始めてくれるロロちゃん。
僕はこのギフトについてあんまり知らないし、“ノーネーム”の書庫にも今知っていること以上の資料はなかった。
「まず、“奇跡の歌い手”。これだけは不変で、音楽シリーズを率いることが出来て・・・あと、必ず担い手は男性になります」
「へぇ・・・歌い手は、それで一つの種類なんだ」
「はい。そして、次に来るのが“指揮者”の“音楽シリーズ”です。これは、歌い手と同様に音楽シリーズを率いることが出来て・・・男性、女性、どちらにもなります」
指揮者・・・今代は、“狂気の指揮者”。
性別は僕と同じ男だ。
先代も、男だったはず。
「先代・・・魔王が誕生したさいには、最後、歌い手と指揮者による音楽対決があって、それが終わって全ての音楽シリーズが集ったと聞いています」
「・・・となると、今回も・・・?」
「音楽勝負をすることになる、と思います」
・・・まあ、その時はその時かな。
なるようになる・・・はず。
「そして、次に来るのがロロやラッテンお姉様のような、こう・・・分類を示すものです」
「分類?」
「はい。こう、説明が難しいんですけど・・・打楽器奏者や笛吹き、弦楽奏者に金管楽器奏者、木管楽器奏者なんかもあります。・・・これで分かりますか?」
「うん、すごく分かった」
つまり、楽器をカテゴリしてそのカテゴリを指す場合、ってことなんだ。
「なので、ロロは打楽器なら何でも演奏できます。・・・それで、ロロのために準備してくれたのがこの楽器なんです」
「なるほど、ね・・・」
「・・・で、最後の種類が一つの楽器専門の場合です。・・・これは、ユイお姉ちゃんがそうですね」
こっちはすぐに理解できた。
ユイちゃんの場合はヴァイオリンがそうだし。
「で、ですね・・・例えば弦楽奏者の場合、いくつかある中の一つが欠番になります」
「あ、そうなんだ?一個だけ楽器がないの?」
「はい。それで、その代わりに弦楽奏者のギフトがある、ということになります」
「ああ・・・最終的には、全部の楽器で演奏、は出来るんだ」
「はい。一種類一人だけ、ですけど」
よく理解できた・・・
さて、話を戻して・・・
「じゃあ、至高の一品は僕以外、誰にでもあるものなの?」
「え・・・?」
「あ、でも・・・指揮者にもないのかな?指揮棒って楽器、って感じじゃない
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